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市川ユウキのアブザンリアニ解説 
 
text by BIGMAGIC秋葉原店STAFF




目指せ。構築最強。




昨年末に第1回が開催された晴れる屋様主催、構築戦最強決定戦『The Last Sun』

かつての『The Finals』に代わる年末の大規模大会として、大きな話題となったのも記憶に新しい。今年も12月22日・23日に開催が予定されており、年末といえば『The Last Sun』といわれるような定番イベントとなりつつある。

この栄誉ある大会に、私達BIGMAGICも予選開催店舗の一つとして微力ながらご協力させていただいているのだ。

そんな『The Last Sun2014』予選@BIGMAGIC秋葉原店にBIGMAGICスポンサード・プロプレイヤー

ご存知「市川ユウキ」が参戦!!

今回は世界選手権に向けた調整も兼ねての参加だという。
激動のプロツアー「タルキール覇王譚」から約1ヶ月。成熟しつつあるスタンダード環境をプロプレイヤー市川ユウキはどう捉えたのか?

大会終了後、見事上位入賞を果たし本戦の1Byeを獲得した使用デッキについてインタビューを敢行した。



--「大会お疲れ様でした。そして1Bye 獲得おめでとうございます。早速ですが、使用したデッキについて教えて下さい。」

市川「ありがとうございます。デッキは先日海外のグランプリ(※GPサンティアゴ)で優勝した『アブザンリアニメイト』です。サイドは弄ってありますが、メインボードに関してはマナベースを1枚変えた以外は完全に一緒ですね。」
sample deck
23land
3《森/Forest》
1《平地/Plains》
4《砂草原の城塞/Sandsteppe Citadel》
3《ラノワールの荒原/Llanowar Wastes》
3《コイロスの洞窟/Caves of Koilos》
4《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
4《疾病の神殿/Temple of Malady》
1《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》

27creature
2《エルフの神秘家/Elvish Mystic》
4《森の女人像/Sylvan Caryatid》
4《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder》
4《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》
4《包囲サイ/Siege Rhino》
2《破滅喚起の巨人/Doomwake Giant》
1《開花の幻霊/Eidolon of Blossoms》
3《テーロスの魂/Soul of Theros》
3《女王スズメバチ/Hornet Queen》

10spell
2《神々との融和/Commune with the Gods》
2《払拭の光/Banishing Light》
3《エレボスの鞭/Whip of Erebos》
3《残忍な切断/Murderous Cut》
15sideboard
3《思考囲い/Thoughtseize》
1《苦悶の神、ファリカ/Pharika, God of Affliction》
3《悲哀まみれ/Drown in Sorrow》
2《再利用の賢者/Reclamation Sage》
1《残忍な切断/Murderous Cut》
1《完全なる終わり/Utter End》
3《荒野の収穫者/Reaper of the Wilds》
1《砂塵破/Duneblast》

--「このデッキを選択した理由は何でしょうか?」

市川「メタゲームとしては『アブザンアグロ』『アブザンミッドレンジ』『マルドゥミッドレンジ』『シディシウィップ』等、ミッドレンジ系デッキが多いと想定していました。
『アブザンリアニメイト』は現環境に存在するミッドレンジ系デッキの中で一番重たい、最強のデブデッキ(笑)
なのでこれら全てに対して有利です。速いデッキは苦手だけど、『アブザンアグロ』はアグロといってもそこまで速いデッキではないからね。」




現環境を代表するカード群。以下の記事も合わせてご覧いただければ環境把握に役立つだろう。

石田 龍一郎 「BMO優勝レポート(スタンダード環境解説)」

BMOスタンダードデッキブレイクダウン



--「今日1日やってみて、当たりは想定通りでしたか?」

市川「ティムールに1回、アブザン(アグロ・ミッドレンジ)に4回当たりましたね。アブザン、多すぎ!」



--「参加者全体で見ても《森の女人像》《クルフィックスの狩猟者》、《包囲サイ》あたりの使用率が物凄いことになっていた気がしますね。速いデッキが苦手とのことですが、当たりたくない相手はどんなデッキですか?」

市川「『赤単』など極端に速い相手か、もしくはこちらよりも更に遅いデッキ・・・『青黒コントロール』などは苦手ですね。」



--「サイドボードのカード選択について聞かせて下さい。特に元々のリストに無かった《荒野の収穫者》が非常に気になるのですが・・・」

市川「《荒野の収穫者》は割とどんな相手にもサイドインします。
サイド後は相手がエンチャント破壊で対策してくるので、エレボスの鞭などの枚数を減らし、軸を変えて戦います。」




同じ4マナの《包囲サイ》にお株を奪われた感はあるが、強力なカードであることに違いはない。占術・接死・呪禁を有する防御的な性能は、たしかに長期戦向きのこのデッキにピッタリのチョイスだ。

市川「《苦悶の神、ファリカ》、《再利用の賢者》、《思考囲い》は主に同系統のデッキに対して入れます。
《苦悶の神、ファリカ》はロングゲームになると強いカードですし、エンチャントなので星座シナジーもあります。
《再利用の賢者》は《エレボスの鞭》で釣って能力を使えるので、クリーチャーであることに意味がある。《思考囲い》はコントロール相手にもサイドインできますね。《完全なる終わり》はお試し枠でした。《砂塵破》は撃ったら勝ち!」



--「次にトーナメントに出るなら、変えたいところなどありますか?」

市川「(かなり悩みながら)うーん・・・《開花の幻霊》は微妙だったかな。でもこいつ1枚が無双するゲームもあるから難しい。
《クルフィックスの狩猟者》は4枚もいらないかも。《テーロスの魂》3枚目も多いかも・・・でもあんまり替わりに入れるもんないね(笑)
サイドボードに関しては《完全なる終わり》、《苦悶の神、ファリカ》が微妙だった。マナフラッドしやすいデッキだし、《完全なる終わり》より《信者の沈黙》が良かったかもしれない。
ただ《完全なる終わり》は『マルドゥミッドレンジ』に対して《払拭の光》、《岩への繋ぎ止め》に触れるのが強みだし、そこは一長一短だなあと。」



--「観戦していて《完全なる終わり》で《灰雲のフェニックス》を追放していたのを見たんですが、すごく強そうに感じました。」

市川「万能カードなんだけどスペースが難しいね。あとは《払拭の光》は3枚目をメインで欲しいと感じたかな。もし《開花の幻霊》を抜くなら星座シナジーも薄くなるし、《払拭の光》を《完全なる終わり》に差し替えるのも有りだと思います。」



--「参考になります!それでは最後にこのデッキを使う人にアドバイスなどあればお願いします。」

市川「土地の置き方が少し難しいから、状況に応じて柔軟に動く必要性があると思います。
フェッチランドは先に使っておかないと《サテュロスの道探し》で基本土地がデッキから無くなってサーチ出来なくなった!なんてこともありえるし。残す色マナにも注意が必要。そこさえ気をつければあとは強いカードをたたきつけるだけ!!」



--「ありがとうございました。本戦も頑張って下さい!」

市川「もしかしたらスケジュール的に参加出来ない可能性もあるんですが・・・頑張ります!!」



『The Last Sun』の前に12月2日からフランスで開催される世界選手権への出場が控えている市川。
プロプレイヤーとサラリーマンの両立はやはり大変で、『The Last Sun』に参加できるかは五分五分とのことだ。


まずは、世界選手権。世界最高の舞台で繰り広げられる市川の活躍に期待したい。



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The Last Sun 2014 予選大会@BIGMAGIC秋葉原店

成績上位者デッキリスト




市川 ユウキ ビデオマッチ The Last Sun スタンダード予選 Round1
http://youtu.be/dDnewWIgX9Y

市川 ユウキ ビデオマッチ The Last Sun スタンダード予選 Round2
http://youtu.be/XwjhkiS0KZ8

市川 ユウキ ビデオマッチ The Last Sun スタンダード予選 Round3
http://youtu.be/EZ9RlEXN70Y

市川 ユウキ ビデオマッチ The Last Sun スタンダード予選 Round4
http://youtu.be/dYqpm8lJ9bY

ニコニコ動画でもビデオマッチを配信しております。
http://ch.nicovideo.jp/bigmagiclive

市川ユウキ 残りラウンドのビデオカバレージも近日公開予定です!






市川ユウキ
マスクスブロック時代よりMTGを始め、インベイジョンが入る頃に引退。
ミラディンの傷跡が発売した頃にMagic OnlineでMTGに復帰。
ほぼ同時期にニコニコ生放送にて"瀬畑"のハンドルネームでMagicOnline配信を開始。
その独特で軽妙な毒舌トークと、確かな実力から人気を博す。

配信者としてのキャリアを重ねると共に地道な努力を続け、2013年MOPTQを2期連続で突破。
更に日本レガシー選手権において前人未到の2連覇を果たし一気に国内においてブレイク。

そして2014年。『プロツアー・ニクスへの旅』『プロツアー・マジック2015』において、
2連続プロツアーTOP8入賞を果たし、プロ最高ランクであるプラチナレベルにまで上り詰める。
『プロツアー・マジック2015』において使用した《世界を目覚めさせる者、ニッサ》を4枚投入した『ジャンド・プレインズウォーカー』デッキは世界のトッププレイヤー達から賞賛を受けるなど、デッキチューナーとしての評価も高まっている。

正に今、世界で最も注目を集めているプレイヤーだ。


主な戦績
・プロツアー・マジック2015 6位
・プロツアー・ニクスへの旅 4位
・グランプリ神戸2014 7位
・The Last Sun 2013 ベスト8
・Eternal Festival Tokyo 2013  3位
・2013日本レガシー選手権(夏)優勝
・2013日本レガシー選手権(春)優勝

市川ユウキ(瀬畑太郎)
「瀬畑太郎の紙とMOのあいだ」

第1回
第2回
第3回

特別企画「新環境でつかまえて」

”プロツアーニクスへの旅”に向けての調整録

市川ユウキのGP神戸調整録

市川ユウキのPTタルキール覇王譚調整録

市川ユウキ日本代表への道
第1回 今までのおさらい
第2回 Rabble Red&ローグ特集
最終回 何故市川は勝てなかったのか

市川ユウキの「これを1000枚買え!!!」
タルキール覇王譚編


 
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