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【速報】市川ユウキ、BIGMAGICとプロスポンサー契約を締結!! 
 


Text by Yoshihiro Kamioka
Photo by Mihori Haruka



2013-2014シーズン。
マジック:ザ・ギャザリング界最高峰の大会、『プロツアー』2連続TOP8の偉業を成し遂げ、プロ最高ランクであるプラチナ・レベルに到達した"瀬畑"こと市川ユウキ。

今、最も注目されているプレイヤーといって間違いないであろうこの男が、
この度、BIGMAGICとスポンサー契約を結ぶこととなった。

早速駆け足ではあるが、市川の今までの軌跡を振り返る形でインタビューを敢行した。




--「まずはBIGMAGICとスポンサー契約を結んでいただき、ありがとうございます。」

市川「こちらこそありがとうございます。」

--「では、早速市川さんの今までの軌跡を振り返っていきたいと思います。
月並みですが、マジックを始めた時期は大体いつ頃からですか?」

市川「ちょうど『メルカディアン・マスクス』が出たばかりの頃。その時は小学生5、6年生だったのでカジュアルに、パックから出たカードだけで遊んでた。デッキは80枚とかで(笑)
その後『インベイジョン』が出たあたりですぐに辞めちゃって・・・10年以上経って『ミラディンの傷跡』が出たあたりでMagicOnlineで復帰したんだよね。」

--「子供の頃やっていた期間は意外と短かったんですね。マジックを復帰したきっかけは何だったんでしょう?」

市川「ずっと仕事が忙しかったんだけど、ちょうどその頃部門が変わって自分の時間が出来て。
MTGは前からやりたいと思っていて、インターネットで情報は少し調べていたんだよね。
それで、オンラインで遊べることを知って・・・」

--「MTGにのめりこんでいったわけですね。市川さんといえばニコニコ生放送でのMO配信が有名ですが、生放送を始めたのも復帰して間もなく?」

市川「復帰してから2週間くらいで始めたよ。一人でやるのさみしいなって(笑)当時は知り合いも全くいなかったからね。



ニコニコ生放送では"瀬畑"でお馴染み。30分の枠に1000人近い視聴者が訪れる超人気放送だ。


--「ぼっちでやるMTGの寂しさは計り知れないものがありますからね・・・。
市川さんは昔からMOCSやMOPTQなどオンライン上でのプレミアイベントによく出場されていたと思いますが、復帰した当初からこれらは目標にしていた?」

市川「いや全然!もう最初はヴァラクート組んで、勝って、チケット増えていくの楽しいな(笑)ってとこまでで。楽しくて続けていたら、復帰して2,3ヶ月後にはもう自然と(MOCSへの参加)権利は持っていたね。
始めてプロツアーやグランプリっていうのもがあるんだ、って認識したのはプロツアー・パリ11の中継を見たのが最初。ちょうどカウブレードが現れたときの・・・」

--「カウブレード、懐かしい!あのPTは本当に衝撃的でしたね。」

市川「優勝者のBen Starkが(TOP8プロフィールで)「Caw-blade、このデッキはすごいよ」って言ってたのがすごく印象に残ってる(笑)」



市川が復帰した頃のスタンダードにおける代表的カード達。今でもレガシー等で活躍するパワーカードがずらり。


--「一時期から市川さんは本当に精力的にPTQに参加していましたよね。はじめてPTQを突破したのは?」

市川「初めて出場したPTQが『イニストラード』が出たての頃で、抜けたのは『ラヴニカへの回帰』が出たときだから・・・丸1年かかったね
当時はリアルカードを持っていなかったから、現実世界ではリミテッドのPTQだけ出場して、MOPTQにはほとんど出場した。
一応毎シーズンTOP8には残っていたんだけど、あと一歩届かないっていうのが続いて・・・
イカンな~と思っていたら、モダンの『ジャンド』初回しでPTQ抜けて(笑)
「なんなんだ、このデッキは・・・と(笑)」



――市川を初めてプロツアーへと導いた『ジャンド』。強すぎた故に現在はデッキの主力パーツである
《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》 《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》が禁止となっている。



--「今まではなんだったのかと(笑)さて、その後も2連続でPTQを突破。そしてレガシー選手権連覇と続くわけですが・・・もう本当にたかが外れたように一気に勝ち出しましたよね。」

市川「たしか1月に初めてPTQ抜けて、3月に日本レガシー選手権(春)優勝。
7月に2度目のPTQを抜けて、9月に日本レガシー選手権(夏)でも優勝。マジでめちゃくちゃ勝ってた、あの頃(笑)」


--「市川さんにとって主戦場とはいえないレガシーというフォーマットでの優勝、それも2連覇というのはかなり衝撃的だったのを覚えています。」

市川「カナスレっていうデッキが本当に強かった。適切なプレイさえすれば勝てたんだよね」

--「レガシーというとカードプールも広くて覚えなきゃいけないことが多く、敷居が高いイメージがあるのですが、練習などはどこで?」

市川「MOCSのフォーマットになっていたので、2週間くらい練習してて。その流れでレガシー選手権出たら勝っちゃった、みたいな。
当時は『俺=レガシーの人』ってイメージが先行してて、リアルの大会に出場すると対戦相手の方に「レガシーの人ですよね?」とか言われたりしたなぁ。本人はレガシーのカード全部借り物で全く持ってないっていう(笑)



市川をレガシー選手権連覇に導いたカナスレこと『カナディアンスレッショルド』。優秀な軽量クリーチャーをカウンター呪文と火力でバックアップしながら闘うクロックパーミッションデッキ。繊細なプレイングが要求される。


--「そんなこんなでレガシーの人という誤った印象が先行していた市川さんですが、今年に入ってプロツアー・ニクスへの旅にてTOP4入賞。プロツアー・マジック2015にてTOP8と、大きな結果を2連続で残しましたね。」

市川「ほんとに、何段階段飛ばしたんだっていうくらい(笑)」

--「前述のレガシー選手権連覇でもそうでしたが、勝ちきる力が本当に凄いですよね。他のプレイヤーと比べて自分が違う点、勝てる理由ってなんだと思いますか?」

市川「長丁場のトーナメントでは、後半に近づくにつれてほとんどの人は疲れや緊張からパフォーマンスが落ちてくるんだよね。でも自分はパフォーマンスが落ちにくく、集中力が持続するタイプ。なので相対的にトーナメントの最後半、シングルエリミネーションに強いプレイヤーになっているのだと思う。」

--「今すごい良い話を聞けた気がします!自分の中で、ブレイクしたきっかけみたいなものってあるんですか?」

市川「それはもう、環境が変わったこと。
(TOP4に残ったPTニクスへの旅までに)過去2回PTに出て、色んなプレイヤーと接してきて、自分はプレイヤーとしては劣っていないなとは感じていて。
環境把握や構築力がまだ足りていないだけで、その差さえ埋めれば勝てると思っていたんだよね。
そんなときに、菊名合宿っていうプロツアーに参加するメンバー同士で練習する場に参加させてもらえるようになって・・・もちろん運もあったけど、結果がついてくるようになった。
環境を把握する上で、情報を共有できる仲間が出来たのが一番大きいね。」





--「菊名合宿という名前は最近よく聞きますね。トッププレイヤー同士の繋がりが出来たと。」

市川「色んな人の意見を聞くっていうのは本当に大切。例えば、プロツアー初日はこんなデッキもいるだろうなとか。2日目になると絞られてきて○○デッキが残るだろうなとか。それらを踏まえてプロツアー前に仮想のメタゲームみたいなものを作っていって、デッキが組めるようになるから。人の意見は聞き得!

--「準備段階、良い調整環境こそが勝利への鍵だったんですね。」

市川「正直今以上の環境は求めていないから、俺の中ではこれがベストであると思ってるね。」

--「…それでは最後になりますが、プロとしてスポンサー契約を結び、プラチナレベルへと到達した市川さんの今後の目標を教えて下さい。」

市川「そうですね…まずは次シーズンもプラチナレベルを維持すること。そしてせっかく権利を得たので、世界選手権を楽しみたいと思ってます。
スポンサー契約に関しては、やっぱり国内のMTGにおいてこういう事自体がすごく珍しいからこれがきっかけになって、今後MTG全体の盛り上がりに貢献できたらすごく嬉しいです

--「これからの活躍に期待しています!今日はありがとうございました!」

市川「ありがとうございました。」




プロとして。BIGMAGICの「顔」として。新たな一歩を踏み出した市川ユウキ。
これからの活躍に、目が離せない。




市川ユウキ
マスクスブロック時代よりMTGを始め、インベイジョンが入る頃に引退。
ミラディンの傷跡が発売した頃にMagic OnlineでMTGに復帰。
ほぼ同時期にニコニコ生放送にて"瀬畑"のハンドルネームでMagicOnline配信を開始。
その独特で軽妙な毒舌トークと、確かな実力から人気を博す。

配信者としてのキャリアを重ねると共に地道な努力を続け、2013年MOPTQを2期連続で突破。
更に日本レガシー選手権において前人未到の2連覇を果たし一気に国内においてブレイク。

そして2014年。『プロツアー・ニクスへの旅』『プロツアー・マジック2015』において、
2連続プロツアーTOP8入賞を果たし、プロ最高ランクであるプラチナレベルにまで上り詰める。
『プロツアー・マジック2015』において使用した《世界を目覚めさせる者、ニッサ》を4枚投入した『ジャンド・プレインズウォーカー』デッキは世界のトッププレイヤー達から賞賛を受けるなど、デッキチューナーとしての評価も高まっている。

正に今、世界で最も注目を集めているプレイヤーだ。


主な戦績
・プロツアー・マジック2015 6位
・プロツアー・ニクスへの旅 4位
・The Last Sun 2013 ベスト8
・Eternal Festival Tokyo 2013  3位
・2013日本レガシー選手権(夏)優勝
・2013日本レガシー選手権(春)優勝

市川ユウキ(瀬畑太郎)
「瀬畑太郎の紙とMOのあいだ」


第1回
第2回
第3回

特別企画「新環境でつかまえて」

”プロツアーニクスへの旅”に向けての調整録
 
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