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瀬畑太郎 ”新環境でつかまえて” 
 
text by Sebata Tarou


0.導入

 ご無沙汰しております、瀬畑です。
  今回はニクスへの旅が出ましたので、新しく出たカードのスタンダードでの評価を簡単に綴っていこうと思います。よろしくお願いします。



1.白

■払拭の光


 姿を変えた(ほぼ)《忘却の輪/Oblivion Ring》。

 自分のパーマネントを対象に取れない為、キャスト→スタックで相手が自軍のパーマネントをバウンスなどで無くす→自分のパーマネントを泣く泣く対象に・・・、みたいな事も起きないようになりました。

 ほぼ《忘却の輪/Oblivion Ring》なので、使われるに決まってるわけなんですが、一番恩恵を受けるデッキは?と思案するとセレズニアがまず先に考えられます。

 《波使い/Master of Waves》に触るために《食餌の時間/Time to Feed》のようなカードパワーの低いカードをサイドに取らなければならなかったり、黒単の《冒涜の悪魔/Desecration Demon》に《セレズニアの魔除け/Selesnya Charm》を綺麗に合わせられないと盤面が止まってしまったり、青単の《海の神、タッサ/Thassa, God of the Sea》にはアグロデッキなのにサイドから《存在の破棄/Revoke Existence》のようなリアクションカードを多く取らなければならなかったり。

 『ドローソースが無いのに相手のカードに対して狭いリアクションカードで対応しなければ負けてしまう』と言うところが前環境でのセレズニアの弱みだったと思います。
一枚汎用性の高いカードが入るだけでセレズニアと言うやや不器用だったデッキが急に柔軟性を増します。





■神討ち


  スタンダードのプールを見渡しても、アーティファクトカードで注意しなければならないカードは殆ど無い為、《存在の破棄/Revoke Existence》より優先して採用することになりそうです、インスタントなのは偉いですね。

 これが出たことによって神サイクルの評価を落とさざるを得ないでしょう、《海の神、タッサ/Thassa, God of the Sea》はテーロスが出た時は殆どのデッキが対処出来ず、所謂『出し得』みたいなカードだったのですが、神々の軍勢が出て対処出来るカラーリングが増えたと思ったら、ニクスへの旅でキラーカードが出るという、なんともな転落ぶり。

 汎用性が高いカードなのにレアなのでお財布が痛いところが欠点。





2.青

■運命の泉


 今の青白系コントロールは2マナのカードが非常に少ない構成なので2ターン目にポンと置いておいて、暇な時に引けるという優秀なドローソース。

 後半引いても4マナ2ドローだし良いカードだと思います、《予言/Divination》入れるならこっち。


■時の賢者



 日本が誇るデッキビルダー行弘 賢プロがGP北京で使用した青黒英雄デッキ)にすんなり入りそうな一枚。
Ken Yukuhiro (Blue Black Heroic) Grand Prix Beijing 2014
20land
4 《島/Island》
3 《変わり谷/Mutavault》
5 《沼/Swamp》
4 《欺瞞の神殿/Temple of Deceit》
4 《湿った墓/Watery Grave》

21creature
4 《運命の工作員/Agent of the Fates》
3 《形態の職工/Artisan of Forms》
2 《ニヴメイガスの精霊/Nivmagus Elemental》
4 《苦痛の予見者/Pain Seer》
4 《苛まれし英雄/Tormented Hero》
4 《ザスリッドの屍術師/Xathrid Necromancer》

19spell
3 《エレボスの加護/Boon of Erebos》
4 《見えざる糸/Hidden Strings》
3 《ミジウムの外皮/Mizzium Skin》
2 《撤回のらせん/Retraction Helix》
2 《バネ葉の太鼓/Springleaf Drum》
4 《トリトンの戦術/Triton Tactics》
1 《究極の価格/Ultimate Price》
15sideboard
2 《胆汁病/Bile Blight》
3 《冒涜の悪魔/Desecration Demon》
2 《払拭/Dispel》
2 《破滅の刃/Doom Blade》
2 《強迫/Duress》
2 《否認/Negate》
2 《思考囲い/Thoughtseize》


 正直5個以上のカウンターを取り除いて追加ターンを得ることは殆ど無いと思いますが、単純に青黒英雄デッキは英雄的してプラスカウンターが載るカードが無いのでそこでの評価の方が高いです。また、相手が全体除去を有するデッキであれば相手にターンを渡さないことは非常に重要な能力になります。

 2ターン目にこれをキャストして、《見えざる糸/Hidden Strings》などを使用していけば4T目には追加ターンを得ることも可能です。



3.黒

■脳蛆


  (ほぼ)《催眠の悪鬼/Mesmeric Fiend》。

 《催眠の悪鬼/Mesmeric Fiend》と比べると、ETB誘発のスタックで除去されてしまうと、ハンデス出来なくなってしまったので少し弱くなってしまったかなという印象。

 それでも対戦相手のハンドを確認しながら、除去の避雷針となるカードは貴重です。

  今の黒単信心にこれを入れれるスロットがあるかと言うと疑問ではありますが、お互いのリソースを絞って早急にゲームを終わらせるのは黒単信心の基本的なゲームプランですので、このカードはそれにフィットするかと思います。






■節くれの傷皮持ち



  1マナ2/1と言うウィニークリーチャーとして及第点なサイズを持ちながら中盤からはアドバンテージを取れる授与クリーチャーに。
ゴルガリの占術ランドもとうとう収録されたことですし、ゴルガリカラーのアグロデッキとかに入れても面白いですね。

 相手のクリーチャーに授与してブロック不可にするプレイも出来ますので覚えておくと良いかもしれません。






■饗宴の主



 相手に追加ドローを与えるのは勿論軽視出来ないデメリットです。が、環境で使われているインスタントタイミングでの除去で、メイン採用されているカードは《英雄の破滅/Hero's Downfall》くらいです。

 あとはソーサリータイミングでの除去が殆どですので、想像以上にこのカードは対処され辛いカードでしょう。

 《冒涜の悪魔/Desecration Demon》は比較の対象となるカードかと思いますが、盤面での安定感はこちらの方が上ですし、マナコストもこちらの方が軽いので、黒軸のアグロデッキなどではこちらの方が優先されることが多くなるでしょう。






■信者の沈黙


 
 環境に使用に耐えうる授与カードが増えたことによって、エンチャントに触りづらいカラーリングである黒系はこれを積むことも選択肢に加わるかと思います。

 顕現している神にも触れますし、ささやかながら奮励でマナフラッドにも対応出来るなど、黒信心に取っては痒い所に手が届くカードと言えるでしょう。

 単体除去としては4マナと重く、あまり多くの枚数は積めませんが、《英雄の破滅/Hero's Downfall》と散らして入れてみることをお勧めします。






4.赤

■大歓楽の幻霊



 非常に評価に困るカード、《紅蓮光電の柱/Pyrostatic Pillar》内臓と言うことでコストパフォーマンスは抜群に良いんですが、それが如何に相手にデメリットを与え、自分がメリットを得れるかはデッキ構築によるかと思います。

 候補はあまり低マナが入っていない、デメリットの薄い赤信心系か、自分のライフがあまり関係なく、除去されたとしても相手にダメージを与えられることが重要となるバーン系か。

 使って、使われてみて強さがわかるカードだと思います。






■力による操縦



 歴代レイコマ系カード最強候補。
フラッドに対応出来るレイコマ、赤信心系かグルール系のナイスサイドでしょう。

 《冒涜の悪魔/Desecration Demon》2体を対象に!12点!やってみたい。






■予言の炎語り



  戦闘ダメージがプレイヤーに通ると《紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster》の0能力2回相当と大盤振る舞いなカード。

  二段攻撃、トランプルと戦闘要員としての能力も高く、これに授与カードを付けたらお手軽フィニッシャー。

  青赤を軸としたコントロールデッキもニクスへの旅が入ったことによって組めそうなので、サイドにこれを取ってサイド後コントロール同系で無双!とかも楽しそう。

  アグロデッキからコントロールデッキのサイドカードなど、幅広く活躍し得るポテンシャルを持っているでしょう。






5.緑

■開花の幻霊



 新しいキーワード能力”星座”はそれを持つクリーチャー自体も、効果に含まれるため《開花の幻霊 》の場合ですとこれ自体でドロー出来るのでキャストしただけでアドバンテージを得れるカードです。

  ニクスへの旅は構築級の授与クリーチャーや、エンチャントクリーチャーが多く収録されている為、シナジーを意識しなくても多くのエンチャントカードがデッキに入るでしょう。

 《苦悶の神、ファリカ》とのコンボは強力で、ファリカの能力でエンチャントクリーチャーを出すたびにドロー出来ます。





■クルフィックスの洞察力


  自分の墓地を肥やしながら、アドバンテージを得れる可能性を含んだカードです。

 《エレボスの鞭/Whip of Erebos》はエンチャント・アーティファクトなのでこれでハンドに加えることができ、リアニ戦略にピッタリ合致するカードと言えます。

 3マナと重く、盤面に影響を与えないカードなのであまり多くの枚数を積むことは出来ないとは思いますが、テーロスブロック構築でリアニメイトが隆盛していることを鑑みると、スタンダードでそれに似通ったリアニメイトデッキが台頭して来ても全く不思議では無いでしょう。






■セテッサ式戦術



 メインは少々厳しいかもしれませんが、緑軸のクリーチャーデッキのサイド候補として。
対象に取ったクリーチャーは+1+1と微々たる修正ですがワンサイズ上がるので、同じようなクリーチャーを展開する相手でも相手の場だけ殲滅出来る場面もあり得ます。

  特に青単信心には強力なカードで、にっくき《波使い/Master of Waves》も格闘!マナクリーチャーを寝かしている《潮縛りの魔道士/Tidebinder Mage》も格闘!ついでに《夜帷の死霊/Nightveil Specter》も格闘!元々のサイズ差もあるので対青単信心ではエンドカードに成り得るでしょう。





6.マルチカラー

■英雄の導師、アジャニ



  今回のアジャニは緑白、まずは一番上の能力から。
セレズニアカラーらしいクリーチャーを強化する能力、盤面が均衡、及び優勢の場合に力を発揮するでしょう。
好きに割り振れるのも柔軟性が高くて高評価、このカラーリングは呪禁クリーチャーも多いのが良いですね。

 二番目の能力はアドバンテージを得る能力、このカラーリングは青白系コントロールへの耐性が殆ど無く、全体除去を一回打たれただけでもかなり辛いゲームになる事が多かったのですが、アジャニの登場によってある程度解消されるでしょう。

  因みに”オーラカード”ですので《払拭の光 》のようなオーラでないエンチャントは手札に加えられませんので注意しましょう。

 最後の能力、所謂奥義は100点ゲインという豪快な能力。

 結構馬鹿にされがちですが、上記二つの能力が盤面を拡充していく能力でかつ、二つともプラス能力ですので、これらを4回起動したら奥義が使えるようになります。

  ”もう盤面は完全に優勢だけど、相手に火力を2枚トップされると負けてしまう”みたいな状況は想定出来ることですので、案外評判以上に「英雄の導師、アジャニの能力でライフを100点ゲインします!」と言う機会は多いかも?しれません。





■通行の神、エイスリオス


  3マナの小神その1。
対戦相手に選ばせる能力は基本的に弱いとされますが、3点はでかい!オルゾフカラーには《管区の隊長/Precinct Captain》や《脳蛆》のように盤面に残るとアドバンテージを取れるカードや、《生命散らしのゾンビ/Lifebane Zombie》や《罪の収集者/Sin Collector》などのCIPクリーチャーが多く、対戦相手は常に苦しい選択肢を取らざるを得ないでしょう。コントロールデッキの悩みの種となりそうです。

 また当たり前ですがギルドマスターである《幽霊議員オブゼダート/Obzedat, Ghost Council》と相性が良いですね、これだけで信心を4つ稼いでくれます、オブゼダートをマナカーブのトップに置いたオルゾフアグロのようなデッキタイプがこのカードによって生まれるかも知れません。





■嵐の神、ケラノス


 顕現しない構成でも、十分な威力を発揮するカードです。

 追加ドローor3点ダメージ。コントロールのアドバンテージ手段に。

 顕現を目指すなら青単信心や、赤単信心などにタッチして入れてみても面白そう。

 自ターンの最初のドローが誘発条件ですので、くれぐれも、くれぐれも誘発忘れにはお気を付けて。
  
 「ドロー!!(シャカシャカシャカシャカ)」『ジャッジー!』


 競技レベルのイベントだと警告、最悪ゲームロスもあり得るので、ケラノスが場にいる時はドロー前にわかりやすい目印を(ライブラリーの上にダイスを置くとか)つけておくと良いでしょう。






■彼方の神、クルフィックス



  某特撮ヒーローの怪獣として出てきそう。





■ニクスの織り手


  毎ターン墓地を肥やしてリアニデッキの潜在的なアドバンテージを稼いでくれます。

 2/3到達というサイズも偉く《夜帷の死霊/Nightveil Specter》を彷彿とさせます。

 《エレボスの鞭/Whip of Erebos》でこれを釣り上げて下の能力で追放して墓地からカードを手札に!脳汁ドバドバ。





■苦悶の神、ファリカ


 3マナの小神その2。
能力は墓地にあるクリーチャーを追放してそれのオーナーの下に接死トークンをもたらせるもの。
お互いに地上で殴り合うデッキだったらサイズは1/1ながらも接死トークンはコンバットを非常に有利に進められます。

 墓地対策としては相手の場にトークンが出てしまうのでそれをメインとするには得策ではありませんが、2マナと構えやすいので相手へのけん制としては有効です。

 前述しましたが《開花の幻霊 》とのコンボは超強力!





7.土地

■マナの合流点



 2色アグロを安定させる一枚、ほぼ《真鍮の都/City of Brass》。
これによって《変わり谷/Mutavault》を取りながら、マナベースを非常に強固に構築し易くなりました。(うっ、お財布が・・・!)

 ただ、あまり複数枚採用するのは禁物です、大体2枚引いたら死にます。
ライフゲイン手段をメインから豊富に有していたり、採用したいデッキが環境でも1、2を争うくらいキルターンが早いデッキなどであればその限りではありませんが、比較的中速の3色ミッドレンジもこれでマナベースバッチリ!みたいな感じだと後悔します、いやマジで。






8.最後に

  如何だったでしょうか、自分なりに見返してこの記事を振り返ってみた感想としましては

白・・・《払拭の光》で柔軟性を

青・・・正直ほぼ無し、ただ赤とは絡めて何か組んでみたい

黒・・・黒は更なる信心デッキが強化、アグロも目指せる

赤・・・《予言の炎語り 》

緑・・・《開花の幻霊 》

マルチカラー・・・(2つを除く)小神使ってみたい!




 こんな感じでしょうか、使いたいカードも多く、非常に魅力的なエキスパンションと言えるでしょう。

 最後まで読んでいただいてありがとうございました、5/11に行われる、BIGMAGICOPEN/スタンダード部門に私も参戦予定ですので、出場される方は是非声を掛けて頂けたら幸いです。

 
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