 |
   |
2015.05.20
text by Ishida Hiroshi
|
 |
小っちゃくてもいいんだよ、黒ければ!!
というわけで、今回は最近巷で流行のフォーマット、タイニーリーダーズについて語ります。
このタイニーリーダーズという言葉、皆様も最近良く目にするのではないでしょうか?
簡単に言うと、統率者戦の変形ルールで、統率者含めてデッキにマナコスト3以下のカードしか入れられず、デッキ枚数は統率者込みで50枚というルールです。
「タイニー」とは「小さい、ちっぽけな」という意味ですが、文字通りマナコストもデッキサイズも小さいわけです。
そして多人数戦がメインの統率者戦と違い、タイニーリーダーズは一対一のゲームが基本となっています。
詳しくはこちらで紹介されています。
岡本桂多
「“タイニー”って、誰のことだ?」第1回:タイニーリーダーズ導入編
自分も友人に誘われてやってみたのですが、これが予想以上に面白い!
デッキサイズが小さいので簡単にデッキを組めますし、対戦もさっくりと終わります。
かといってお手軽=ゲーム性が浅いということはなく、採用カードが縛られているがゆえの奥深さがあり、またデッキ構築の幅も想像以上に広いです。
普通のビートダウンやグッドスタッフも組めますが、ヴィンテージやレガシーのようなテーマデッキも組めたり(「土地単」や「エンチャントレス」も組めます!)。デッキ枚数の少なさに着目したライブラリーアウトも強いですし、あるいは統率者を中心にシナジーを組んだデッキも構築できます。
他のフォーマットでは使われていない意外なカードが強かったりと、新しい発見も多いです。
何より、構築も対戦も新鮮で面白い!
これは世間で話題になるのもわかります。
となれば、これはもう波に乗るしかありません!
この環境も、黒に染めてやるよ!
|
 |
●黒の使用可能ジェネラル
今回はマルチカラーではなく、黒単色で使えるジェネラル(統率者、リーダー)たちを紹介します。
黒単色のリーダーの場合は当然黒いカードしかデッキに入れられませんが、何も問題はないでしょう。
普通のデッキならだいたい30枚前後のスペル+20枚前後の土地で構成されますので、単色であってもカードが足りないと言う事はなく、むしろ何を抜けばいいか迷うぐらいです。
もちろん黒を含む多色デッキでも面白そうなジェネラルはいますが、まずは黒単から。
それでは、黒単全リーダー入場ッ!!
・《魏の参謀 荀彧/un Yu,
Wei Advisor》

いきなりマニアックなジェネラルが出てきましたが、『ポータル三国志』のカードです。
『ポータル三国志』での黒の役回りは「魏」で、魏の軍師である荀彧もカード化されているわけです。
能力はちょっと微妙なシステムクリーチャーですが、何度も使えるパンプアップなので悪くはありません。
当然、クリーチャーデッキのバックアップとして使う事になりますが、おススメしたいのが感染デッキ。
|
   |
感染クリーチャーのパワーを+2するというのはかなり強力です。黒は《ファイレクシアの十字軍》を始め感染の第一カラーですから、それなりに頭数はいます。
他のジェネラルと違って史実の人物ですから、そういった意味での魅力もあります。
『ポータル三国志』のカードは高額なものも多いですが荀彧はさほど高くはありません。ファンの方はこの参謀をタイニーリーダーズの世界で活躍させてみるのもいいのではないでしょうか?
・《夜の華、切苦/Kiku, Night’s
Flower》

小型のシステムクリーチャーで、起動コストはやや重いですが能力は強く、ほとんどの生物を除去できてしまいます。
これが生き残っている限り、相手はクリーチャーをろくに出せなくなるので、クリーチャーデッキ相手では有力な能力といえます。
この除去能力は何度も使えるので4マナという重さもわかりますが、これは逆に考えれば、3マナまでのカードしか使えないタイニーリーダーズに置いてマナフラッドした場合でも有効に使えますし、オーバーパワー気味の能力という事も言えなくはないです。
デッキ構築は自由度があり、除去コントロールデッキでのエンジンとしても使えますし、ビートダウンデッキで相手のクリーチャーを除去するのにも使えます。
黒単のリーダー候補の中でもクセのない、かなり使いやすいリーダーだと言えます。
・《梅澤俊郎/Toshiro Umezawa》

神河ブロックの主人公、梅澤俊郎。あの悪名高い十手の使い手ですが(十手の方は禁止カードに指定されています)、本人はほとんど使われませんでした。
能力は相手のクリーチャーを倒すことによるインスタントの使い回しで、うまく回ればアドバンテージがとれます。相手依存ではありますが、小型クリーチャー戦がメインになるタイニーリーダーズではなかなか使い勝手の良さそうな能力です。
もちろんこれをリーダーにするなら、使いまわすためのインスタントは多めにいれましょう。ハイランダー構築なので、1枚しか入れられない強力なスペルをもう一回使えるというのは魅力的です。
除去呪文はそれ自体がトリガーになるので相性がいいですが、マナがないとうまく使えないので、マナのかからない除去手段が多いと能力が生かしやすくなるでしょう。例えば《ヴェールのリリアナ》や《破滅の印章》、《ガルザの暗殺者》などが良いのではないでしょうか?《殺戮の契約》は自身もインスタントという点で相性最高です。
|
    |
ストーリー上でも大活躍した人物で、イラストもカッコイイですし、相手の血を触媒にして術を行使するというデザインも良く出来ていて好きなカードです。
・《現し世の裏切り者、禍我/Maga,
Traitor to Mortals》

黒単はおろか、全カラー中でもかなり異質なレジェンドカードです。
3マナ以下のカードしか使えないタイニーリーダーズでは、当然リーダーも3マナ以下に絞られるわけですが、この禍我はなんとクリーチャーにしてX呪文なので超巨大生物として場に出すことができるわけです(同様にマナコストにXを含む統率者候補には、他には赤黒の《地下牢の管理人、グレンゾ》だけです)。
そのうえCIP能力も強力で、除去されても再び出せる統率者の特性と相まって、このカード1枚だけでライフを削りきるのも現実的です。
そのため、勝利手段を禍我だけに任せて、デッキ内には何も勝ち手段をいれないという構築も可能です。
禍我をリーダーにする場合のデッキ構築指針は2種類あります。
|

|
一つはひたすらゲームを長引かせて、終盤に大量のマナ基盤から禍我をフィニッシャーとして出すデッキ。こちらは相手のリソースを奪う手札破壊や除去呪文を大量に入れることになるでしょう。
|

|
もう一つは、早期に膨大なマナを用意して巨大な禍我を繰り出し相手を圧倒するコンボ気味のデッキ。重いカードがデッキに入れられないのでタイニーリーダーズではあまり使い道のない《厳かなモノリス》や《陰謀団の貴重品室》などが大いに役立ちます。また《玄武岩のモノリス》+《ブライトハースの指輪》などの無限マナコンボから1ショットキルを狙うのも面白いでしょう。
デッキ内に勝ち手段を必要としない、統率者ならではのデッキ構築が楽しめる禍我は、個人的にはイチオシの黒単リーダーです。
それにしても、昔から思っていましたがこいつは一体何者なんだ……ただの人間なのにどうしてこんなにデカイんだ……
・《上位の大峨、苦御/Kuon, Ogre
Ascendant》
 
反転カードです。
最初の状態では2/4バニラで魅力のないカードですが、反転後の本質は強烈な効果を持っています。
殆ど無差別の《The Abyss》であるこのエンチャントは、並大抵のクリーチャーデッキなら完封してしまえるほどの影響力を誇ります。
このカードをジェネラルにするなら、やはり本質へと反転させて使いたいところ。
幸い黒には《黒の太陽の頂点》や《悲哀まみれ》といった全体除去も多いので、相手がクリーチャーを並べまくってくれるなら条件は満たせますが、4体はさすがに難しいのでこちらも少しは巻き添えを受けるクリーチャーを用意しないといけません。
しかし下手なクリーチャーをいれると、自分もこの本質によってクリーチャーを出す意味がなくなってしまうというジレンマがあります。
そこでオススメなのが除去カードとしての役割が持てるクリーチャーの採用です。
|
   |
《肉袋の匪賊》や《無慈悲な処刑人》は、基本的に布告除去として使いながら自身もクリーチャーなので反転条件にカウントできます。さらには《墓所の鼠》や《屍の原形質》といった全体除去すらあります。《ガルザの暗殺者》や《深淵の門番》という渋いカードもおススメです。
クリーチャーのアタックによる勝利は望めませんので、他の勝ち手段を用意する必要があります。《狂乱病の砂》などのアーティファクトでライブラリーアウトを狙うか、《呪われた巻物》や《地獄界の夢》などのダメージクロックを用意するか……いずれにせよ反転で抑えこんでからゆっくり仕留められればいいので、そう難しい話ではないでしょう。
・《ストロームガルドの災い魔、ハーコン/Haakon,
Stromgald Scourge》

能力は素晴らしくデッキの組み甲斐もある……って統率者領域からプレイできねーよこいつ!!
まさかSultai(※)より弱いリーダーがいたとは……しかも最弱が黒とはッ!!
※:青黒緑の3マナの伝説のクリーチャーがいないことをうけて設定された、同カラーの色マナ1つずつをコストに持った3マナ2/2の能力なし・所謂バニラクリーチャー。プレイヤーはこのクリーチャーを自身のリーダーに指定することが出来るのだ。
・《朝の歌のマラレン/Maralen
of the Mornsong》

かなりの問題児。
能力はスゴイことが書いてあるのですが、相手から先にサーチし始めてしまうのが大問題です。このせいで結局構築では使われることはありませんでしたが、しかし能力はオンリーワンかつ、ハイランダー構築のタイニーリーダーズでは更に強力に作用するものです。
何とかして使いたいですが、しかしどう考えても相手のほうが先に得してしまうのが悩ましい……
何らかのコンボパーツを揃えるよりは、相手から先にライフロスしていくことを利用して、ライフをガンガン追い詰めていくタイプのデッキのほうが合うでしょうか?
上手く使えるデッキを組めたら、間違いなく一流の黒使いです!
・《川の殺し屋、シグ》

青と黒の混成クリーチャーですが、別に青いカードを入れなければいけないという法はない!
というわけで黒いリーダー候補としての側面から紹介します。
ライフロスをトリガーとしたドロー能力の持ち主で、一度回りだすとかなりのアドバンテージを稼ぎだすことが出来ます。
装備品などで自身のパワーを3以上にすれば、自分のアタックだけでも条件を満たすことが出来ます。
|

|
他には普通にクリーチャーを並べてアタックしてもいいですし、《暴君の選択》や《魂の消耗》のような直接ライフロスできるカードを使うのも良いです。
いずれにせよ、シグを使うなら攻撃的なアグロデッキを組むのが良いでしょう。
またシグの能力は相手ターンでも有効なので、インスタントタイミングで相手に3点以上失わせるような事が出来ればものすごい速度でカードを引くことが出来ます。
|
  |
もっとも、それは黒単色だけではなかなか難しいですが……《クォムバッジの魔女》のようなインスタントタイミングでのダメージ能力を持つものもいますし、《拷問台》や《金切り声の苦悶》といった相手ターンにダメージが発生するカードと併用するやり方もあります。《臓器をすり砕く者》はマニアックなカードですが、シグの誘発条件と完全にマッチします。
いずれにせよ、ノーコストでカードを引くという能力はやはり強力です。
何なら青を入れてもいいですが、黒単でも十分に強力ですね!
|
 |
●タイニーリーダーズでの黒の注目カード
こちらでは、よく使われている、あるいはdds666注目の黒いカードを紹介します。
他のフォーマットでは注目されていなくても、タイニーリーダーズなら輝くようなカードもあります。
一昔前は「統率者ならワンチャン」というカード評価がありましたが、今後は3マナ以下のカードは「タイニーリーダーズならワンチャン」と言われるようになるかもしれませんね!?
・《黒の太陽の頂点》《毒の濁流》《強行軍》《蔓延》《悲哀まみれ》
|
     |
黒は赤に次いで全体除去が多いカラーです。
タイニーリーダーズでは自然と小型クリーチャーがメインになりますので、これらのカードで殆ど場を一掃できます。
中でも特に強力なのが《黒の太陽の頂点》。X=3程度で場を壊滅できますし、ライブラリ枚数が少なくハイランダー構築というタイニーリーダーズの特性上、山札に戻る効果が非常に頼りになります。
普通なら重くて使いづらい強行軍も、X=3で全てのクリーチャーを破壊できます。
・《コジレックの審問》

タイニーリーダーズではマナコスト3以下のカードしか入れられませんので、このカードは《思考囲い》を超える性能の手札破壊となります。
また手札破壊呪文は多人数戦よりも一対一のゲームのほうが強力に働きます。黒の基本カードと言えるでしょう。
もちろん《Hymn to Tourach》など、他の手札破壊も強力です。
・《燻し》
 
タイニーリーダーズでは3コスト以下のクリーチャーしか出てこないわけですから、好きなクリーチャーを何でも破壊できる万能除去となります。
黒の単体除去は他にも高性能なものが多いですが、《燻し》は中でも極上の除去カードです。
・《闇の腹心》
 
ただでさえ強力なクリーチャーですが、タイニーリーダーズでは最大でも失うライフは3点、しかも初期ライフ25ですので通常の構築以上にリスクが低いです。
・《苦花》

有名な、そして悪名高い2キルカード。
もちろんタイニーリーダーズでもただ強です。
勝手にクリーチャーが出てくるので、生け贄シナジーも組みやすいでしょう。
・《夜の咆哮獣》

デ、デカぁぁぁい説明不要ッ!!
元祖《ルアゴイフ》と違って3マナなのでデッキに入れられるのは大きいです。
授与のモードも、実質4マナスペルなので3マナのカードオンリーの環境では相対的に強力です。
・《墓所のネズミ》

Pauperで有名な、全体除去能力を持ったクリーチャーです。
タイニーリーダーズでももちろん強力です。
普通に使っても強いですが、装備品などでネズミ自身のタフネスをあげたりプロテクションを与えてあげたりすれば、脅威の殺戮マシーンへと変貌します。
・《グール・ドラズの暗殺者》

レベルアップ・クリーチャーは、コストは軽いのにマナさえ注げば大型生物として運用できるので、タイニーリーダーズではかなり強力です。
中でもこの吸血鬼の支配力は驚異的で、レベルアップしてしまえばほとんどの生物を虐殺し、さらに本体のサイズで速やかにゲームを制圧してしまうでしょう。
『エルドラージ覚醒』リミテッドでも最強のボムの一枚に数えられる悪夢のカードでしたが、タイニーリーダーズでもその支配力は衰えていません。
・《疫病媒体》

除去能力を持った生物ですが、起動コストの重さから使いづらいカードでした。
ですがタイニーリーダーズでは軽い生物しか出てこないので結構使いやすく、マナさえあればたくさんの生物を除去することが出来ます。
・《屍の原形質》《恐怖の波》
 
マナコストを参照して全てのクリーチャーを破壊していくカードです。
悠長ではありますが、最大でもコスト3までしか存在しないタイニーリーダーズでは普段よりも強力な効果を発揮するでしょう。
・《生命吸収》《魂の消耗》

本来重いカードを入れられないタイニーリーダーズに置いて、マナコストにXを含む呪文は一種の抜け道であり裏ワザです。
先に紹介した黒の太陽の頂点など、黒のX呪文はいくつかありますが、これらドレイン呪文も非常に強力です。
・《思考の粉砕》

強力な手札破壊呪文で、殆どの場合一撃で相手の手札を全て破壊してしまいます。
これもタイニーにおけるX呪文ならではの強さを持った、裏技的カードです。
ドロー呪文を多用するコントロールデッキに対しては一撃で致命打となるでしょう。
・《禍々しい協定》《占骨術》

《思考の粉砕》と真逆でこちらはXドローカードで、もちろん強力です。
相手がビートダウンデッキの場合はライフロスに気をつけたほうがいいですが、なぁにライフは一点あればいい!
逆に、《禍々しい協定》はトドメの一撃としても使えます。
・《不敬の命令》

『ローウィン』の命令サイクルの中で、黒の命令だけがタイニーリーダーズで使用可能です。
効果はどれも強力で、特にクリーチャーデッキではすべての能力を余すところなく使いこなすことが出来るでしょう。
・《死の雲》

ゲーム全体に凄まじいインパクトを与える大破壊カード。
これを使う際は、エンチャントやアーティファクトを多用して自分が先に立ち直れるようにするのが基本です。
扱いは難しいですが、タイニーリーダーズで使用可能な全カードの中でも、指折りのド派手で強烈な大呪文です!
かつてのスタンでの「るつぼクラウド」のように《世界のるつぼ》を使ったり、アーティファクトやエンチャントを並べたり、あるいは不死クリーチャーなどの死んでも場に残る生物を使ったり、はたまたジェネラルをこれの次ターンに繰り出したり、使い道は色々考えられます。
・《湿地での被災》

“キッカー”や“奮励”といった追加コストで効果を拡大できる呪文も、実質的には3マナ以上のコストを持つスペルのような感覚で使えます。
中でもこの《湿地での被災》は非常に強力な呪文、黒い《忌むべき者のかがり火》とでも言うべき代物です。
普通に2マナで使っても悪い効果ではなく、使いやすい除去呪文です。
・《ファイレクシアの闘技場》《地下世界の人脈》《闇の後見》
 
ドロー加速エンチャントです。
ネクロポーテンスは禁止カード指定されていますが、これら後輩たちも十分に強力。
どれも使いやすく、《闇の腹心》より除去されにくいのが魅力です。
《闇の後見》も腹心同様に、通常よりもリスクが下がって使いやすくなっています。
・《Withering Wisps》

『アイスエイジ』のカードで、見慣れないカードかもしれません。
効果はほぼ《黒死病》で、デッキ内の《沼》をすべて《冠雪の沼》にしておけば不自由はありません(能力の起動回数が《冠雪の沼》の枚数分が上限なため)。何より《黒死病》と違って3マナなので、デッキに入れることが出来ます!
小型クリーチャー戦がメインになるタイニーリーダーズで《黒死病》の制圧力は勿論強力です。こちらは再生クリーチャーを用意するなどして維持すれば、勝利はたやすいでしょう。
・《繰り返す悪夢》

統率者戦では禁止カードに指定されていますが、タイニーリーダーズでは禁止解除されているカードです。
確かに巨大クリーチャーを踏み倒して出したり、それらの持つ強力なCIP能力を使いまわすことはできませんが、3マナ以下でも有力なCIP能力を持つクリーチャーはいます。
特に黒はアドバンテージ系のCIPクリーチャーが多く、《貪欲なネズミ》や《騒がしいネズミ》、《ファイレクシアの憤怒鬼》や《骨砕き》などを回しているだけでアドバンテージが取れます。
・《引き裂かれた記憶》《ディミーアの策謀》

“変成”カードです。
《Demonic Tutor》が禁止カードに指定されていますので、特定カードをサーチするなら代わりにこれらのカードを使うことになります。
言うまでもなく、ハイランダー構築で特定のカードにアクセスできるサーチカードは非常に便利で強力です。
《引き裂かれた記憶》は墓地対策カードなので、相手によっては通常モードでのプレイもありえるでしょう。
《Grim Tutor》という強力なサーチカードもありますが、非常に高額です……。
・《悪魔の意図》

追加コストに目を瞑れば、なんと《Demonic Tutor》と同じ効果です。
クリーチャーデッキなら生け贄を用意するのも問題ないでしょう。
使いこなせるデッキでは強力な一枚になります。
・《ファイレクシアのトーテム像》

使いやすいマナアーティファクトで、最終的にはフィニッシャーにもなります。
コントロールデッキのアタッカーとして入れておくといい感じに働きます。
・《ヴェールのリリアナ》

何か説明が必要?
最強のPWが使える、こんなに嬉しいことはない……!
・《汚れた契約》

黒い《渦巻く知識》……は流石に言いすぎですが、中々に良質なドローサポートです。
特にハイランダー構築となるタイニーリーダーズでは、普通の構築よりもずっと使いやすい。
同名カードの条件で引っかかってしまうのは基本地形だけという事になります。
・《ヨーグモスの意志》

全てのMTGのカードの中で最も凶悪な一枚に数えられるカードです。
タイニーリーダーズでは多くのマナを引き出すことは難しいですが、黒なら後述の《陰謀団の貴重品室》などを使えばそれも克服できます。
普通に使っても、本来1枚しか入っていないカードを墓地から使いまわせるのはそれだけで魅力的です。
・《過去の受難》

墓地対策兼、Xドレイン呪文です。
墓地対策なら《虚無の呪文爆弾》、ドレインなら《魂の消耗》など、より使いやすいものはありますが、その両方が合体しているならお買い得です。
・《陰謀団の貴重品室》

黒いデッキならではの強烈な土地です。
タイニーリーダーズでは大量マナは意味無いように見えますがそんな事はなく、実際多ければ多いほどいいです。
先に紹介したX呪文のプレイに当てるのもいいですし、何度も統率者をプレイできるようになりますからね。
《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》や《ヴェズーヴァ》、《さびれた寺院》などとのシナジーで、さらに強烈にマナ加速していくことが出来ます。
・《ヴォルラスの要塞》

強力な起動型能力を持つ良いランドです。
CIP能力を持った生物を何度も使いまわすといい感じです。
・《Dystopia》《非業の死》《美徳の喪失》《死の掌握》《ストロームガルドの陰謀団》
|
     |
黒の敵対色である、白や緑に対する強力な対策カードたちです。
タイニーリーダーズではサイドボードは10枚使用可能です。
こういったカードで虐めてやるのも面白いでしょう。
・《サディストの聖餐》

サイドボードでイチオシの黒いカード。
特定のコンボを搭載している相手には非常に強烈な効果を発揮します。
《陰謀団の貴重品室》を使えばキッカーでのプレイも現実的で、そうなれば相手の勝ち筋を殆ど奪いつくすこともできるでしょう。
・《真髄の針》《漸増爆弾》《選別の秤》《忘却石》
|
    |
黒単色ではエンチャントやアーティファクトに触れないので、対策したければこれらのアーティファクトに頼る事になります。
どれも強力なので、デッキと相談してメイン採用もあるでしょう。
特に《選別の秤》は、タイニーリーダーズではかなりの制圧力を発揮します。
|
 |
●タイニーリーダーズ
黒単コンボ!
3マナ以下のカードだけでも、組めるコンボはあります。
まだまだコンボやシナジーはあると思いますので、皆さんも探してみてください。
|
 |
マナロックコンボです。
相手が同型だと無力ですが、黒マナを使わないデッキには強烈な効果を発揮します。
タイニーリーダーズでは統率者戦と比べて土地以外のマナ基盤の採用数が少ないので、これだけで勝てることも少なくないでしょう。
コンボパーツそれぞれが、単体でも強力なカードなのもポイントです。
《繰り返す悪夢》の場合は不死クリーチャー以外でも、《ザスリッドの屍術士》や《肉裂き魔》といった死んでもトークンを残してくれるクリーチャー、《覚醒舞い》のようなトークンを引き連れてくるクリーチャーなど、色々な組み合わせが存在します。
またこれ以外でも、《恐血鬼》や《墓所這い》で維持してもいいですし、何度もジェネラルを出して無理矢理維持することも出来ます。
・《現し世の裏切り者、禍我》+《玄武岩のモノリス》+《ブライトハースの指輪》
|
   |
禍我をジェネラル指定すれば、実質カード2枚の即死コンボになります。
これを主軸にデッキを組むのも面白いでしょう。
《Demonic Tutor》は禁止ですが、《ディミーアの策謀》でサーチすることが出来ます。
・《暗黒の深部》+《吸血鬼の呪詛術士》
|
   |
かつてのエクステンデットで猛威を振るったデプスコンボ。これも黒の特権です。
初期ライフ25点のタイニーリーダーズでは一撃死とは行きませんが、十分に強力なコンボです。《演劇の舞台》や《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》などとの組み合わせで、より使いやすくなります。
・《アシュノッドの供犠台》+《墓所這い》+適当なゾンビ+《漆黒の手の信徒》
|
    |
無限マナコンボです。
さらにクリーチャーが場と墓地を循環するので、それでトリガーするようなカードと組み合わせればさらにコンボを組めます。
簡単なのは《血の芸術家》で瞬殺コンボですね。
|
 |
●今週の「闇より這い出しもの」
今週は、自分が実際に使っている黒単タイニーリーダーズのデッキレシピを紹介します。
|
統率者:《現し世の裏切り者、禍我》
|