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石田弘 「グランプリ静岡参加レポート」 
 
text by Ishida Hiroshi

GP静岡参加された皆様、お疲れ様でした!
今回は事前予約で締め切り人数に達するという大盛況で、日本でのMTGの盛り上がりをいつも以上に感じるイベントでした。


自分も年始からリミテッドのGPという事で楽しみにしていたイベントです。
初日のシールドは幸運にも恵まれて9-0という望外の結果で終わることが出来ましたが、二日目のドラフトでは練習不足もあり1-5という残念な結果で終わりました。


個人的にはこの環境はシールド、ドラフト共にあまり勝てず苦手なのですが、そんな事情は関係なく非常に面白い環境だということは断言できます。

一方でこの環境は様々なプロの記事を見ても「難しい」と言われており、自分もそれは実感しています。
バランスが良く色々なことが出来るおかげで、決まったカラーや戦法が強いという事がありません。また構築段階だけでなく実際のゲームにおいても変異を初めてとして極めて選択肢が多く、コンバットでのリスクリターンの管理や手札の読み合いは困難を極めます。

それこそ「正解」などなく、プレイヤーの数だけアプローチが存在する、そんな環境です。

でも、だからこそタルキール環境は楽しいんですよね!

タルキール環境は同じリミテッドといっても、シールドとドラフトではまったく違うゲームなのは理解していました。
今回はあまり練習の時間が取れずシールドをメインにMOで練習していたのでこの結果は悔しいですが納得がいくものではあります。
それに初日全勝に関しても、相当に運が味方していたことは確かです。
自分のプールはカードは非常に強いのですがマナサポートが乏しく、土地事故から負けてしまう試合が数回発生してもおかしくないものでした。ですが実際には毎回綺麗に色マナも揃い、一度もマリガンせずにしっかりと回ってくれました。
また対戦相手にも《風番いのロック》を一度も出されていないなど、凄まじい幸運が重なっていたと思います。

それでも、デッキ構築やプレイングなどで練習の成果は出せたと思います。
運命再編が発売されてもう環境も変わってしまいますが、今回の環境のシールド戦レポート、楽しんで頂ければ幸いです。




●構築編

KTKシールド環境はとにかく難しく、人によってかなり意見が違います。
テンポ環境という人もいれば、後手アドバンテージ環境という人もおり、土地が一番大事だという人もいれば、メインボードのパワーが弱くては勝ち抜けないと意見する人もいます。
多分、そのどれもが正解で、同時に一つの正解などなく、人の数だけ正解の存在する、そんな環境なのだと思います。
どのカードをとっても強い状況も弱い状況もあって、デッキ次第という部分もあります。
最終的には好みの部分も大きいのだと思いますが、自分としては以下のように考えています。


・土地が弱くても、最大限に強いカードを使う。
リミテッドとは常にマナトラブルとの戦いですから、もちろん土地基板は最重要なものです。
ですが、いくら土地基盤が盤石でスムーズにスペルをプレイ出来ても、そのスペルそのものが弱ければゲームに勝つことは出来ません。
なので自分は、多少のマナ基盤の脆弱さには目を瞑って強力なカードを多くメインボードに取れる構築を重視します。
もちろん、無意味な多色化やタッチは事故を招くだけですので、そこはバランスの問題です。


・変異は入れ得、タッチし得
変異クリーチャーは、最低限無色マナでプレイすることが出来ます。
これが地味に大事で、色事故してもプレイできるカードと言うことですし、マナスクリューしても土地3枚あればプレイできます。
終盤マナが充実した状態なら裏返してもいいし、トップしても役に立つカードということで、非常に汎用性が高く事故に強いカードです。
例えタッチカードだとしても基本3マナ2/2でプレイできる保険が付いているのは安心できるので、自分的には下手なカードよりも変異でデッキを埋めることが多いです。


・除去と回避能力が大事
リミテッドの基本ですが、この環境でもそれは変わりません。
KTKのボムクリーチャーはアドバンテージを取ってくるようなものはあまりおらず、ただ単独で巨大だったりマナレシオが高かったりするものが殆どです。
こういったボムは除去で1:1が取れてしまうので、除去カードは強いわけです。
例えば恐るべき《軍族の解体者》や《アラシンの上級歩哨》も《必殺の一射》や《絞首》といったコモンの除去で対処できますからね。
まぁ、ボムの中のボムである《風番いのロック》は無理ですが……。

また、KTKはタフネスの高い生物が多く、またそうでなくても変異が並ぶので、地上生物での攻撃を通すのはかなり大変で、中盤以降はすぐに盤面が固まってしまいます。
なので、普段以上に回避能力は重要だと考えています。
例えばシールドの王者であるアブザン同士など、同レベルのクリーチャーが並ぶのでお互い地上はダメージが通らなくなるのが普通です。

こうなった場合、タッチされた《隠道の神秘家》や《グドゥルの嫌悪者》がゲームを決める場面は少なくありません。これらのカードは前述したとおり変異ですので、タッチするリスクが皆無なのも嬉しいところです。


細かい部分を見ていくと本当に複雑で難しい環境なのですが、とりあえず以上が自分の方針になります。
それでは、実際のプールを見ながらデッキ構築を考えていきましょう。
以下が実際のカードプールになります。、




・白
《アイノクの盟族/Ainok Bond-Kin》
《アブザンの鷹匠/Abzan Falconer》
《マルドゥの軍族長/Mardu Hordechief》
《雪花石の麒麟/Alabaster Kirin》
《アブザンの戦僧侶/Abzan Battle Priest》
《賢者眼の侵略者/Sage-Eye Harrier》
《果敢な一撃/Defiant Strike》
《消去/Erase》
《抵抗の妙技/Feat of Resistance》
《停止の場/Suspension Field》
《必殺の一射/Kill Shot》
《大物潰し/Smite the Monstrous》

そもそも白というのは強いカラーなのですが、このプールは素晴らしいですね。
クリーチャーも各マナ域で最強レベルのものが揃っている上、強力な除去も複数枚あります。アンコモンのパワーカードも多く、まず採用したいカラーでしょう。




・青
《春の具象化/Embodiment of Spring》
《春の具象化/Embodiment of Spring》
《湿地帯の水鹿/Wetland Sambar》
《僧院の群れ/Monastery Flock》
《湯熱の精/Scaldkin》
《隠道の神秘家/Mystic of the Hidden Way》
《旋風の達人/Whirlwind Adept》
《旋風の達人/Whirlwind Adept》
《引き剥がし/Force Away》
《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》
《悪寒/Crippling Chill》
《目潰しのしぶき/Blinding Spray》
《宝船の巡航/Treasure Cruise》

枚数は多いのに、内容はかなりガッカリです。春の具象化や旋風の達人といった弱いカードに復数スロットを取られており、青の魅力といえる飛行生物も貧弱です。
メインカラーには成り得ませんが、《隠道の神秘家》だけはタッチする価値があるので覚えておきたいです。




・黒
《マルドゥの頭蓋狩り/Mardu Skullhunter》
《クルーマの盟族/Krumar Bond-Kin》
《朽ちゆくマストドン/Rotting Mastodon》
《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger》
《よろめく従者/Shambling Attendants》
《殻脱ぎ/Molting Snakeskin》
《消耗する負傷/Debilitating Injury》
《苦々しい天啓/Bitter Revelation》
《苦々しい天啓/Bitter Revelation》
《残忍な切断/Murderous Cut》

枚数は少ないですがなかなかの粒ぞろいです。
クリーチャーは最低限ですが《スゥルタイのゴミあさり》は素晴らしいですね。
スペルが優秀で、全アンコモンの中でも最強レベルの《残忍な切断》が光ります。
メインカラーではなく2色目以降として有力でしょう。






・赤
《跳躍の達人/Leaping Master》
《戦名を望む者/War-Name Aspirant》
《沸血の熟練者/Bloodfire Expert》
《沸血の熟練者/Bloodfire Expert》
《マルドゥの心臓貫き/Mardu Heart-Piercer》
《峡谷に潜むもの/Canyon Lurkers》
《粉砕/Shatter》
《粉砕/Shatter》
《苦しめる声/Tormenting Voice》
軍族童の突発
《弧状の稲妻/Arc Lightning》
《ラッパの一吹き/Trumpet Blast》
《石弾の弾幕/Barrage of Boulders》
《素早い蹴り/Swift Kick》

枚数は多いですがプレイアブルでないカードもまた多く、全体のパワーはあまり高くありません。
赤を使うならかなりアグロよりなデッキにしないと活かせないと思いますが、そうなると早期にマナを用意できるように一色目に持ってくる必要があり、マナバランスが不安です。
《マルドゥの心臓貫き》と《弧状の稲妻》は文句なしのパワーカードで、タッチでの採用も考えられるレベルのカードであり、ここは覚えておきたいです。




・緑
《族樹の管理人/Kin-Tree Warden》
《族樹の管理人/Kin-Tree Warden》
《煙の語り部/Smoke Teller》
《高山の灰色熊/Alpine Grizzly》
《スゥルタイの剥ぎ取り/Sultai Flayer》
《サグの射手/Sagu Archer》
《わめき騒ぐマンドリル/Hooting Mandrills》
《長毛ロクソドン/Woolly Loxodon》
《熊の覚醒/Awaken the Bear》
《境界の偵察/Scout the Borders》
《龍鱗の加護/Dragonscale Boon》

枚数も少なく、カードパワーも低いので、あまり魅力的とはいえません。
積極的に採用したくなるレベルのプールではありませんが、長毛ロクソドンはタッチで使用したいカードです。




・マルチカラー
《死の激情/Death Frenzy》
《完全なる終わり/Utter End》
《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor》
《眼の管理人/Warden of the Eye》
《イフリートの武器熟練者/Efreet Weaponmaster》
《子馬乗り部隊/Ponyback Brigade》
《アブザンの隆盛/Abzan Ascendancy》
《アブザンの先達/Abzan Guide》
《悪逆な富/Villainous Wealth》
《グドゥルの嫌悪者/Abomination of Gudul》
《本質捕らえ/Trap Essence》
《ティムールの隆盛/Temur Ascendancy》
《熊の仲間/Bear's Companion》

一気に書きましたが、今回のプールはかなりマルチカラーカードの枚数が多く、かつレアも多く強力なので、色を決める際の大きな要素になりそうです。

中でも目を引くのは当然、白黒の2枚。万能除去の《完全なる終わり》に文句なしのボムカード《真面目な訪問者、ソリン》。これらはタッチでも是非使いたいです。
次に強力なボムカードは《アブザンの隆盛》ですね。少し落ちて《悪逆な富》と《熊の仲間》でしょう。これらのカードを使えるようなカラーの組み合わせを考えたいところです。




・アーティファクト
《鮮明のレンズ/Lens of Clarity》
《頭蓋書庫/Cranial Archive》
《心臓貫きの弓/Heart-Piercer Bow》
《マルドゥの戦旗/Mardu Banner》
《スゥルタイの戦旗/Sultai Banner》
《ティムールの戦旗/Temur Banner》

アンコモン3枚はほぼ使い道がなく残念です。
戦旗はカラーが合えば入ることになるかもしれません。






・土地
《遊牧民の前哨地/Nomad Outpost》
《華やかな宮殿/Opulent Palace》
《平穏な入り江/Tranquil Cove》
《急流の崖/Swiftwater Cliffs》
《精霊龍の墓/Tomb of the Spirit Dragon》

そして問題の土地ですが、枚数が少なくこのプールでの最大の泣き所になっています。
どんなデッキを組んだとしても、この土地から安定したマナベースを組み上げることは不可能です。
できるだけ2色タッチ1の構築を心がける必要があり、他カラーをタッチする余裕も無さそうなのがわかります。
事実、このプールは初日全勝デッキの中で一番マナ基盤が弱く、もっとも大量の基本地形を使っていました。それでも事故らなかったのは、本当に幸運としかいいようがありません。




以上の要素からまず考えたのは、白黒をメインとしてもう一色目を赤にするか緑にするかです。
まず最強かつカード枚数の多い白は最有力の一色目で、ソリン、完全なる終わりを運用するために次に黒を選びました。黒自体も悪いプールではありませんからね。
その場合、マルドゥかアブザンかということになりますが、まずどちらも純正で組む場合マナの安定性は変わりません。
アブザンだと強力なマルチカラーカードが多く使え、入れる緑のカードも変異が多くなり色事故は少なくなりそうです。また青のタッチが容易なので、《隠道の神秘家》と《グドゥルの嫌悪者》がタッチできます。その場合、これらのカードは変異なのでランド事故の危険性が低くなります。
マルドゥでは赤のプールから強力な2種のアンコモンが使えますが、変異ではないカードがメインになるので色事故のリスクが増します。こちらも青がタッチしやすいのですが、《グドゥルの嫌悪者》を表に返すのはかなり難しくなります。一応色のあっている戦旗がありますが、高速ビート傾向の強いデッキになるのであまり合っていなさそうです。

どちらも一長一短だとは思いますが、どちらにせよランド安定性の低さから土地は18枚以上入れるべきで、そうなると高速デッキよりも重く強いカードが多いほうが合っているように思いました。
また変異による事故率の低さや、《アブザンの隆盛》のレアパワーも鑑みて、アブザンメインのほうが良さそうだと思いました。

完成したデッキは以下のものになります。

sample deck
18land
18土地

15creature
《アイノクの盟族/Ainok Bond-Kin》
《アブザンの鷹匠/Abzan Falconer》
《マルドゥの軍族長/Mardu Hordechief》
《雪花石の麒麟/Alabaster Kirin》
《アブザンの戦僧侶/Abzan Battle Priest》
《抵抗の妙技/Feat of Resistance》
《停止の場/Suspension Field》
《隠道の神秘家/Mystic of the Hidden Way》
《クルーマの盟族/Krumar Bond-Kin》
《スゥルタイのゴミあさり/Sultai Scavenger》
《スゥルタイの剥ぎ取り/Sultai Flayer》
《わめき騒ぐマンドリル/Hooting Mandrills》
《長毛ロクソドン/Woolly Loxodon》
《アブザンの先達/Abzan Guide》
《グドゥルの嫌悪者/Abomination of Gudul》

7spell
《必殺の一射/Kill Shot》
《死の激情/Death Frenzy》
《完全なる終わり/Utter End》
《真面目な訪問者、ソリン/Sorin, Solemn Visitor》
《アブザンの隆盛/Abzan Ascendancy》
《消耗する負傷/Debilitating Injury》
《残忍な切断/Murderous Cut》
  やはりマナベースに余裕がありませんので、3色目の緑は極力少なくタッチ気味にしています。また変異クリーチャーを多く入れることで事故の危険性を減らしています。

個人的にKTKシールド環境では、アグロデッキでないなら2マナ生物を無理に入れる必要はないと考えており、このデッキでも変異性物が初動というイメージで作っています。

今回はそもそもランドが弱いので、2ターン目に色指定要求をクリアできない可能性も高いですしね。
リミテッドは常にマナトラブルとの戦いですので、やはり構築段階でケアできるならそれに越したことはありません。こう考えるとやはり、マルドゥよりアブザンのほうが良かったと思います。

1枚組み間違えかな、と考えられるのは《わめき騒ぐマンドリル》で、これは緑マナを要求される割に対して強くないので、安定性を取って変異クリーチャー(賢者眼の侵略者か子馬乗り部隊)にしたほうが良かったと思います。
もっとも素でパワー4以上の生物が少ないので、マンドリルが役に立った場面もあり、一概には言えませんが。

他にもメイン採用を悩んだカードは何枚かあります。

・《苦々しい天啓》2枚
KTK環境で貴重なアドバンテージカードで、そもそも単独で強力なカードです。
ですがこのデッキは重くテンポが悪いので、このカードを打っている余裕が無さそうな点、またそもそも速いデッキに弱いのに、ライフルーズにより負け筋を作ってしまう点などを考慮しメインからは外しました。
相手が自分と同じような低速のボム&除去デッキなら2枚ともサイドインする可能性はあります。


・《大物潰し》
このカードがメインから抜けるという時点で、このプールの除去性能の高さが伺えます。
これも優秀なカードですが、序盤には使えないカードということで、このデッキにとって苦手な速いデッキ相手に役に立たないので優先度が低く抜けました。

もちろん相手がファッティを多用するデッキや強力なボムの多いデッキならサイドインされます。
除去対象や有効なデッキを考えると、ちょうど《死の激情》と対になるようなイメージです。《死の激情》は高速デッキキラーですので、低速なこのデッキにとっては大変ありがたい除去カードになっています。


・《子馬乗り部隊》
赤マナソースが1枚あり、変異持ちなので入れても問題ありません。
今回は他のタッチ変異クリーチャー……《隠道の神秘家》と《グドゥルの嫌悪者》が強力かつ青マナソースが2枚とれたので優先されています。

シールドではサイド後に大幅な色変えをして違うデッキにするプランもありますが、このプールの場合はどうでしょうか?
やるとしたらアブザンからマルドゥに変化させるパターンですが、この場合のメリットはデッキ全体の速度が上がること、また除去が更に増やせることで、デメリットは安定感がダウンしデッキパワーも下がるということです。

ですが自分より速いデッキを相手にする場合でも《死の激情》を要するアブザンのほうが良さそうですし、またボムデッキ相手にボムを出される前のスピード勝負をするにはこのマルドゥでは速度が足りていない印象です。

何より安定性が下がるのがよくないので、色変えする事はあまりなさそうです。相手が《風番いのロック》などの猛烈なボム満載デッキの場合のみ、色変えが考えられると思います。




●対戦レポート編
それでは実際の対戦のレポートになります。

●R1 バイ
●R2 バイ






●R3 アブザン
《包囲サイ》、《アラシンの上級歩哨》、《対立の終結》といった強力なボムを備えた典型的な低速アブザン。アンコモンやコモンも隙がなく、今回当たった相手の中では一番プール的には手強いと思った相手でした。

・G1 こちら土地3でストップしたところに相手4ターン目《アラシンの上級歩哨》で終わったかと思いましたが、攻め急いでくれたおかげで《必殺の一射》で除去する事に成功。

その後も《吠える鞍暴れ》や《包囲サイ》などの強力なカードに押し込まれ続けましたが、相手はそこからマナフラッドして、なんとか捌き切りました。

・サイドボード

相手はパワーを重視しスピードが遅いタイプなので、こちらもそれに合わせます。
自分のデッキもカードパワーでは負けていないはずなので、長期戦望むところです。

・サイドアウト
《死の激情》
《消耗する負傷》

・サイドイン
《大物潰し》
《苦々しい天啓》

・G2 相手《包囲サイ》、《アラシンの上級歩哨》という好スタート。
なんとか除去を引いて上級歩哨は除去し、こちらも《アブザンの鷹匠》と戦僧侶を並べ強力な戦線を構築します。
《アブザンの隆盛》が置けたので、相手の《対立の終結》もさほど効かず、ソリンも駆けつけそのまま勝利しました。





●R4 スゥルタイ
名古屋でよく一緒に遊ぶ、同コミュニティのプレイヤーが相手でした。
この試合は信じがたいブン回りで(2ターン目《アイノクの盟族》、3ターン目《アブザンの鷹匠》、4ターン目ソリン!)、カードパワー差を見せつけての勝利でした。
手札のクリーチャーを展開した後、トップから毎回ソリンが駆けつけて簡単なゲームばかりでしたw





●R5 マルドゥ
《血に染まりし勇者》を始め、高速アタッカーの揃ったマルドゥ。遅いアブザン相手には特に有効な《反逆の行動》や、《嘲る扇動者の存在》が怖いところです。

・G1 1ターン目に登場した《血に染まりし勇者》から続く《谷を駆ける者》による猛攻で、すぐにライフは10点以下に。変異を裏返すことは考えずどんどん相打ちを取るプランでなんとか繋ぎ、キリンや鷹匠でなんとか場を止めることに成功。その後ソリンでライフゲインしての逆転となりました。

・サイドボード

相手は大幅にスピードに勝るデッキなので、序盤で生き延びることが大事です。
デッキパワーを下げてでもカードを軽めにシフトしていきます。
長期戦になれば、どのみちこちらが有利なのですから。

・サイドアウト
《隠道の神秘家/Mystic of the Hidden Way》
《わめき騒ぐマンドリル/Hooting Mandrills》

・サイドイン
《賢者眼の侵略者/Sage-Eye Harrier》
《子馬乗り部隊/Ponyback Brigade》


・G2 初手からソリンがありますが、横に並べてくる相手から守り切るのは難しいかもしれません。できればライフゲインしたいのですが、展開によってはトークン出して囮として使い捨てにすることも視野にいれてのキープです。
ゲーム自体はやはり素早い相手の攻撃によってイニシアチブを取られてしまいましたが、とにかく変異で相打ちを取り押さえていくことに成功。ソリンも余裕を持ってライフゲインモードで一度使えましたが、返しに《煽る扇動者》で戦線を乱されて倒されてしまいました。
しかしここのライフゲインが大きく、その後は打撃戦で勝利しました。




●R6 マルドゥ
このマルドゥは非常に素晴らしいデッキプランを取っており、相当に巧いプレイヤーだと印象に残っています。
カード自体はお世辞にも強いとは言えないのですが(もっとも、ボムを見ていないだけかもしれませんが)とにかく1マナ域2マナ域を重視して速度のみに特化しており、自分のような遅めのボムデッキを狩るように作られていました。

プールによってはこのように、デッキパワーが低くても速度に寄せて勝ちを目指す構築をしなければいけないことがあります。思い切ってそういったデッキを作られている辺り、実に巧いプレイヤーだと思いました。

・G1 《マルドゥの悪刃》から《谷を駆ける者》、さらに悪刃二枚目や《戦名を望む者》、《マルドゥの頭蓋狩り》、という信じがたい高速ビート。こちらは重めの除去ハンドでキープしたので大変です。パワー2相手にすら《完全なる終わり》をプレイせざるをえない状況ですが、とにかく生き残ることを再優先に必死に除去していきます。
ライフ一桁でなんとか相手の場を鎮圧し、そこから《長毛ロクソドン》で反撃開始。ライフは乏しく「火力引かれたら死にそうだな~」と思うも特に反撃はなく殴りきりました。

・サイドボード
R5と同じような感じですが、さらに相手は速く、かつパワーは低いのでそれに合わせて行きます。
飛行生物もいなかったので、もはや青クリーチャーも不要です。一度さばいてしまえば、フィニッシャーはなんでもいいですからね。テンポのために特殊地形を減らし青いカードはすべて抜きました。 

・サイドアウト
《平穏な入り江/Tranquil Cove》
《隠道の神秘家/Mystic of the Hidden Way》
《グドゥルの嫌悪者/Abomination of Gudul》
《わめき騒ぐマンドリル/Hooting Mandrills》
《停止の場/Suspension Field》

・サイドイン
《平地/Plains》
《マルドゥの頭蓋狩り/Mardu Skullhunter》
《賢者眼の侵略者/Sage-Eye Harrier》
《子馬乗り部隊/Ponyback Brigade》
《朽ちゆくマストドン/Rotting Mastodon》

・G2 再び相手の猛攻。2ターン目跳躍の達人から強襲で現れた戦名を望むものを必殺の一射で倒しますが、相手の勢いは止まりません。
しかし5ターン目に炸裂した《死の激情》で1:4交換を取り、その後はゆっくりとクリーチャーを並べて制圧しました。

この相手は非常に手強く、デッキ相性的にも辛かったのですが、それを1枚で覆してしまえる《死の激情》の存在は大きかったです。





●R7 アブザン
シールドでは珍しい、戦士シナジーの強いアグロ気味なアブザンです。
《刃の隊長》や《吠える鞍暴れ》、荒野の後継者といった強力な戦士を、《戦場での猛進》や略奪者の戦利品、さらには《アブザンの隆盛》でバックアップして殴ってくるアグロデッキで、これも序盤を捌けるかどうかが一つのポイントになってきます。

・G1 変異&麒麟スタートのこちらに対し相手は《アブザンの鷹匠》、《吠える鞍暴れ》と強力な布陣で、序盤は押され気味になります。除去を絡めてなんとか五分の場にしたところでソリンを出し、ライフ回復して捲ることが出来ました。
まぁ、PWの強さに助けられての勝利です。

・サイドボード
相手はアブザンですが実質的にはマルドゥのような動きをしてくるデッキでした。
ただしカラーがカラーですのでそれなりに大型クリーチャーもおり、膠着することも考えられましたので回避クリーチャーは抜かないようにし、結果としてあまり大きくサイドチェンジはしませんでした。

・サイドアウト
《わめき騒ぐマンドリル/Hooting Mandrills》

・サイドイン
《賢者眼の侵略者/Sage-Eye Harrier》

・G2
相手の荒野の後継者&アイノクの盟族に対し、こちらも変異を巻き込みながらの《死の激情》で場を平らにします。
その後は温存していた生物を並べましたが、相手もまだまだ戦力を残しており状況は五分。ソリンを展開するも《戦場での猛進》で討ち取られましたが、これで相手の場も手札もかなり少なくなってきました。

スローダウンした戦場でこちらの《アブザンの戦僧侶》が生き残りライフゲイン開始。こうなると1枚1枚のカードパワーの高いこちらが有利です。《アブザンの隆盛》を張られるも、《グドゥルの嫌悪者》や麒麟を要するこちらの軍勢は硬く、そのまま勝利しました。





●R8 ジェスカイ
ついに当ってしまった、アブザンキラーなアーキタイプ。
ジェスカイデッキはコモンだけでも回避能力で素早く攻め立て、レア満載だけど遅いアブザンを食ってしまえるデッキタイプです。
しかもここまで全勝で残っているということはデッキも相当なものでしょう。
デッキのキーカードである《隠道の神秘家》や《ジェスカイの風物見》は当然複数枚入っており、2マナ域最強クラスの《道の探求者》から強力なビートを仕掛けてくるデッキでした。

・G1 《ジェスカイの風物見》、《隠道の神秘家》というキツイ回避クリーチャーを連打されますが、アブザンの先達の絆魂のお陰で渡り合えました。
とは言えやや不利な場でしたが、トップデッキした《死の激情》で一気に有利になり勝利しました。

・サイドボード
高速デッキ相手のサイドボードをするのは当然ですが、今回はただ変異で相打するだけでなく回避クリーチャーを止めきる必要があります。なので飛行クリーチャーである《グドゥルの嫌悪者》は抜かず僧院の群れまでサイドインしました。
・サイドアウト  わめき騒ぐマンドリル、《隠道の神秘家》、停止の場
・サイドイン  賢者眼の侵略者、サグの射手、僧院の群れ

・G2
お互いややゆっくり目の展開で、ひたすら相打ちを狙っていきますが果敢をちらつかせた《道の探求者》が手強い。
こちらは初手から《死の激情》を握っていたのですが、相手もそれを警戒してかなかなか展開してきません。
《道の探求者》含め1:2を撮れる状況で打ちましたがやはり誘われていたようで、返しが風物見と神秘家の回避コンビ。
除去が1ターン遅れたせいで《抵抗の妙技》を合わせられてしまい、そのまま回避をとめられず殴りきられてしまいました。 

・G3
2ターン目に現れた《道の探求者》、このアタックを容易にブロックできるわけもなくかなり削られてしまいます。除去したいのですが、よりデッドリーな《隠道の神秘家》に除去を使ったので延々とこの探求者に生き残られて殴られ続けます。
それでもとにかく場をスローダウンさせることに努め、復数クリーチャーを並べることで探求者のアタックを封じます。
相手の《霧炎の織り手》を《賢者眼の侵略者》変異でシャクれたのも大きく、徐々に有利な場に。
お互いに睨み合う場になれば、回避さえ出されなければアブザン有利です。
最後は《アブザンの隆盛》をトップデッキして盤石の場となり勝利出来ました。





●R9 アブザン
こちらと同じような、低速の硬いアブザンです。
《ラクシャーサの死与え》や《包囲サイ》といった構築レベルのレアに、墓地肥やしからの探査カードや《死滅都市の悪鬼》。アンコモンクリーチャーも多い、典型的な低速高パワーのアブザンです。
だいたいアブザン同士では回避能力がキーになりますが、さて…。

・G1
お互いにアンコモンの長久クリーチャーが並び、デッキパワーの高さを感じ合う展開です。
基本的に1:1で除去、あるいは相打ちが続きますが、相手の《抵抗の妙技》に合わせた《残忍な切断》でこちらがテンポ、アドともに微有利に。
その後は温存していた《グドゥルの嫌悪者》の回避能力が決め手となり勝利しました。
このゲームではお互いレアを1枚も見せていないので、次ゲーム以降が怖いところです。まぁ、それはあっちも同じですがw

・サイドボード
同型ということであまり大幅なサイドボードはありません。結構多めに変異クリーチャーが入っていたので《消耗する負傷》は残しましたが、他はR3と同じような感じでサイドチェンジしました。

・サイドアウト
《わめき騒ぐマンドリル/Hooting Mandrills》
《死の激情/Death Frenzy》

・サイドイン
《大物潰し/Smite the Monstrous》
《苦々しい天啓/Bitter Revelation》


G2 相手ダブマリ。こちらは初手こそ土地2枚で不安でしたがそこから連続で土地を引くドブン回りで、完全に運だけで勝利です。


というわけで、幸運にも恵まれ初日9-0という成績を残すことが出来ました。
二日目は残念な結果に終わりましたが、初日の幸運を考えれば何度か事故っても仕方ないと考えられますし、そもそも練習不足がたたって自分のドラフト技術は明らかに劣っていましたから何の不満もありません。

悔しくないといえば嘘になりますが、いや、それ以上に楽しいGPでした。
この環境ももう終わりですが、素晴らしいリミテッド環境だったと思います。
今後のリミテッド環境も楽しくプレイしていきたいと思います。


石田弘
自他共に認めるリミテッダーで、dds666のハンドルネームでおなじみである。
国内のリミテッドPEで2度の入賞、初出場のプロツアー“ギルド門侵犯”においても賞金圏内に入賞を果たすなど、その実力は確かなもの。

本人のブログ:ライフは一点あればいい


主な戦績
グランプリ神戸2011 Top8
The Limits2011 Top8
プロツアー“ギルド門侵犯” 出場
「カジュアルで遊ぼう」
第1回モミールベーシックで遊ぼう1
第2回モミールベーシックで遊ぼう2
第3回モミール戦略:構築編
第4回モミール戦略:戦術編

「ポックスリアニ」
その1~誕生編~
その2~デッキ解説編~
その3~サイドボード編~
その4~調整編~

「コンスピラシードラフトを楽しもう」
その1
その2

赤黒ゾンビデッキとの遭遇


 
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