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安田真幸の勝手に挑戦・PTQタルキール覇王譚~Journey into Honolulu~ ホノルルへ行きたいかー!その2 
 
text by Masayuki Yasuda

~旅は道連れ、世は情け~

【説明】
PTQ遠征とは基本的に自分との孤独な戦いであるが、同行者がいればより心強く、楽しい旅にもなる。
勿論大会では敵でありライバルではあるが、共に助け合っていくのも大事だよ!



 私は困っていました。


先週の記事で「次回の挑戦は6/15のPTQ@金沢!!」と言いました。

が、直前になり自分の車が使えなくなるトラブルが発生。
電車で行く場合を調べてみると、決勝ラウンドに残ってしまうと、当日中の帰阪は不可能です。(20:35発のサンダーバードが終電)

翌日は月曜日。社畜野郎に突然の休暇申請という選択肢は、無い!

なので金沢へ向かう交通の選択肢は、車しかなかったのです。

夜行バス乗って朝そのまま仕事行け?無理無理!
確かに私は24歳(仮)ですけども、ヘルスメーターの体年齢は42歳なんです!ラーメンうまいねん!


というわけで友人数組が車で行くと小耳に挟んでいたので、決死のジャンピング土下座。
同乗させてもらえないかを聞いてみました。

A「すまん定員いっぱいやわ」

B「満員乙」


おぉ神よ・・・


このままでは完全に企画倒れ、編集長から折檻されてしまいます・・・



C「空いてるで」


神は私を見捨てなかった・・・信じる者は救われる・・・
感謝感激雨嵐!



************


そんなこんなで、勝手に挑戦シリーズ・PTQタルキール覇王譚~Journey into Honolulu~。

連載2回目、なんとか行ってきました!


今回は上記の通り、友人の車に同乗させてもらっての突撃。土曜日から前日入りしての金沢を満喫するプラン!


PTQ遠征の醍醐味の一つに「遠征先を観光する」というものがあります。

せっかく普段行かない地域に行くというのに、部屋の中で一日マジックして終わりというのは勿体ない!

俗にいうPTQエンジョイですが、私はこの考えに大いに賛同します。


MTGの掲げる表題に

~Play the Game, See the World~

というものがあります。

これは決して海外に限った事ではなく、国内旅行でも同じ事が言えると思います。もし時間が許すのであれば、目で・耳で・舌で、その土地を味わう。そしてヒリつくようなゲームをする。最高じゃないですか!


というわけで、

・金沢市中央卸売市場で海鮮丼食べて








・21世紀美術館で現代アートを体感して






・和倉温泉で「総湯」って温泉に入って






・たまたまやってた「能登よさこい祭り」を見て
・夜店でたらふく食べて






エンジョーイ!!!

  たまたま遭遇したよさこい祭りが良すぎて、本場高知のよさこいも見たくなりましたね!

 これもまた、旅の醍醐味。



************


 そんな感じでみんなハッスルしすぎて、ホテルに着いたのは深夜。



 さて、ここで前回のまとめに戻りましょう。
前回の反省と感想にて、

① 今のデッキを突き詰める
② 相性のいいと思われるデッキを選んで使用する
③ もういいやん・・・黒緑使おうや・・・


という選択肢を提示しました。
そして今回のPTQ遠征に向けて、私が選んだ選択。


それは


④ もういいやん・・・前と一緒のデッキ使おうや・・・




 色々と忙しくて全然調整できなかったんです!

頭の中でチョメチョメ考えるくらいしかできなかったんです!

MOでヴィンテージマスターズが販売されたからパック欲しさにレガシーをやりまくってたのは秘密だ!



 もちろん前日に調整を行う暇も気力も体力も、皆ありません。自らの脳内理論を信じて、ぶっつけ本番に臨みます!



~ (脳内)調整  ~


 前回の反省はまさに「対黒緑ミッドレンジをどう捌くか」という一点でした。

 その前回のPTQで実践したサイドボードはおそらくプランニングが自体間違っていて、相性が改善される程の物では無かったと考えられます。手札破壊で攻められ、《ヴェールのリリアナ》で触り辛いはずの生物が死んでゆく。

 これがなんとかならないものか・・・

・・・

・・・

ピコーン!(電球)


Metabolic Traft Ⅱ
25land
4《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
4《乾燥台地/Arid Mesa》
2《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
2《蒸気孔/Steam Vents》
1《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》
4《天界の列柱/Celestial Colonnade》
2《硫黄の滝/Sulfur Falls》
2《島/Island》
1《平地/Plains》
1《山/Mountain》
2《地盤の際/Tectonic Edge》

13creature
4《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
4《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》
4《修復の天使/Restoration Angel》
1《雷口のヘルカイト/Thundermaw Hellkite》

22spell
1《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
4《流刑への道/Path to Exile》
4《稲妻/Lightning Bolt》
4《稲妻のらせん/Lightning Helix》
2《呪文嵌め/Spell Snare》
1《差し戻し/Remand》
3《マナ漏出/Mana Leak》
3《謎めいた命令/Cryptic Command》
15sideboard
2《神聖の力線/Leyline of Sanctity》
2《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
2《マグマのしぶき/Magma Spray》
2《石のような静寂/Stony Silence》
1《摩耗/損耗/Wear/Tear》
1《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
1《否認/Negate》
1《対抗変転/Counterflux》
1《神の怒り/Wrath of God》
1《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》
1《地盤の際/Tectonic Edge》




 まさに《神聖の力線》は私が求めていたソリューション(脳内)。
《突然の衰微》されず、手札破壊を無効化し、《ヴェールのリリアナ》の能力を大幅に弱体化させる。


これなら・・・勝てるっ・・・!!



 後は何枚か細かく調整しました。

 なお前回採用してみた《造物の学者、ヴェンセール》は、そんなに強くなかったです。



************


122人参加の7回戦後、シングルエリネーション。人数が7回戦ギリギリなので、予選ラウンド通過は6-1までか。


結果は・・・


1回戦 赤白バーン ○×○
2回戦 ジャンドミッドレンジ ○×○
3回戦 青赤白キキジキコントロール ○○
4回戦 黒緑ミッドレンジ ××
5回戦 トリコトラフト ○○
6回戦 緑黒白出産の殻 ○○
7回戦 風景の変容 ○×○


6-1ッ!!
予選ラウンド6位通過ッ!!!



やりました。
途中予定調和的に「黒緑ミッドレンジ」に敗北を喫すも、他をなんとか退ける事ができました。

 あと3勝で夢のワイハー。
もう僕の脳内では、目の前に広がる青い空・白い砂浜、そこを裸足で駆ける水着の俺とチャンネー。

「待ってよ~」
「HAHAHA~捕まえてごらん~」



おもっくそ気持ち悪いですがこんな感じです。モチベーションは下心。


しかしここから先は予選を勝ち抜いた強豪が待ち受けるシングルエリミネーション。一筋縄ではいきません。



************


 そして準々決勝、そこに待ち受けるのは今回の旅の同行者、友人K君。

 BMライターでもある表西くんが主催する練習場「OMONISHI-Family」で研鑽を積むプレイヤーです。

 彼が使うデッキは「ジャンドミッドレンジ」。「黒緑ミッドレンジ」と構成はほぼ同じなので、かなり厳しいマッチアップとなる事が予想されます。


 なおこれは個人的なジンクスなのですが、過去のPTQシングルエリミネーションは「一没」か「優勝」しかしたことがありません。

 このマッチアップさえ制せば「優勝」という名の栄光が待っているはず・・・

 信じるのは己の腕と、少しの運。

 そしてを出し続けるのみ!



*参考:「安田マサユキの実物提示教育致します」第3回 覇気とは?(正念場における心構え)





準決勝 ジャンドミッドレンジ

GAME1 後手 7枚/7枚

 キープハンドは中々。

 しかし先手の《コジレックの審問》2連打で有効牌が落とされ、3Tにして既に4/5のタルモゴイフが着地する。

ここで3ターン目に相手の土地が
《草むした墓》
《踏み鳴らされる地》
《怒り狂う山峡》
なのを確認。

 こちらの《聖トラフトの霊》を見ているにも関わらず手札破壊で落とさず、また場に黒黒を出していない事を考えるに、
「手札に《ヴェールのリリアナ》はあるが土地の色事故なのでは」
と判断。
《ヴェールのリリアナ》を出せる場合、《タルモゴイフ》によるビートダウンプランよりも明らかにこちらにとって厳しいプランになるので、黒マナを置かない理由もない。

 またこちらは明確なクロックを突きつけられてる上、手札に回答が無い事も知られているので無理をして攻めない限り勝てるビジョンは無い。

 黒マナソースを引かれる前に《聖トラフトの霊》で攻める決断をする。もちろん裏目もあるが………これがビンゴ。

 返しの4ターン目に土地を置かれず《タルモゴイフ》との殴り合いになり、こちらは《雷口のヘルカイト》、《謎めいた命令》を併せてのクロック勝負。

 これらを除去し除去され、ライフが5点対4点まで詰めたところでお互いの場と手札が空になり、トップデッキ勝負へ。

 相手が意を決して《闇の腹心》をプレイ。

 後で聞くと、トップデッキ勝負になると有効牌の数が明らかに違うからライフ度外視で勝負を決めにきた、とのこと。
こちらのトップデッキは《流刑への道》。除去するのも一つの手だが、火力圏内にライフを詰めたかった為除去せず続行。

 この《闇の腹心》が捲るは《稲妻》。これで殴られると負けが確定するので仕方なく《流刑への道》を打つ。が、《怒り狂う山峡》をセットされ、完全にトップデッキ頼みに。

 そのトップは・・・


ドロー、《天界の列柱》


残念。




GAME2 先手 7枚/7枚

初手は
《沸騰する小湖》
《地盤の際》
《聖トラフトの霊》
《仕組まれた爆薬》
《マナ漏出》
《稲妻のらせん》
《神聖の力線》

 初手に輝くは脳内ソリューション!

 この場面で駆けつけてくれるとは、やはりマジックに必要なのは愛と信心。力線大好き愛してる。

 マナ基盤に少々の不安は残るものの、攻撃を通す手段は豊富だし余裕のキープ!

開始前に《神聖の力線》ドヤァ
土地セットゴー!!

ドロー、《修復の天使》
土地セットゴー

・・・
ドロー、《聖トラフトの霊》2枚目

・・・
ドロー、《稲妻》

・・・
ドロー、《仕組まれた爆薬》2枚目

・・・
ドロー、《稲妻》2枚目



負けや負けや!!!




************


「PTQ金沢の感想と反省」

TOP8のデッキタイプは以下の通りでした。

優勝
「親和」

2位
「出産の殻」

3-4位
「ジャンドミッドレンジ」
「黒緑ミッドレンジ」
5-8位
「出産の殻」
「赤黒バーン」
「黒単メガハンデス」
「トリコトラフト」



 前日に晴れる屋で開催されていた「神決定戦」にて「バーン」が優勝しており、色は違うもののポテンシャル通りPTQ金沢のTOP8にも残りました。

 これまではあまり注目されていないデッキタイプでしたが、ここまで結果を残すと嫌でも意識されるかと思います。

 「バーン」は黒緑系デッキに圧倒的な勝率を誇り、メタの中心がこのデッキである限りは勝ち組になる事でしょう。

 一方で意識され始めると脆いという弱点をもつのも「バーン」の特徴。PTQ大阪ではどの程度の使用者がいるのか、どの程度意識されているのか、そこが問題になりそうですね。

 また「親和」と「出産の殻」の安定したTOP8率も無視できません。前回のPTQ川崎の決勝戦も「親和」VS「出産の殻」なので、やはり勝ち切る地力の大きさは環境トップなのでしょうか。



 私個人の反省としては、今回採用したサイドボード《神聖の力線》の強さがよくわかっていない事です。
というのも、実は4戦目の「黒緑ミッドレンジ」戦でも《神聖の力線》が初手にあったのですが、そのゲームも土地が2枚で止まって負けたので・・・。

 実戦での効果が確認されていない以上、使い続けるかの判断は難しいものがあります。

 いやそれよりもやはり、黒緑系デッキへの圧倒的な敗北率。これが大問題です。

 「もういいやん・・・」なんて言ってられません。同デッキを使うのであれば本格的に対処法を模索する、他のデッキを使うのならばそれらの候補を出して練習する、これを一週間以内で判断する必要があります。

 さすがに今週はMOレガシーを封印して、ひたすらモダンを練習するのが得策でしょうね。


************


今回のPTQで何人かの方に「記事を見ました」とお声をお掛けいただきました。中にはデッキをコピーしていただいた方もいて、本当に恐縮です。こんなニッチなデッキでごめんなさい。

 ホノルルへの旅は二回目で終わるなんてことは無く、まだまだ続きそうです。


次回の挑戦は6/21のPTQ@大阪。
我らがBigMagicが主催です!参加される皆様は共に頑張りましょう!


それでは、良いモダンライフを!
Good Luck




余談



終了後、お寿司屋さんでの反省会中にK君が一言

昨日車の中でヤスダさんが
「《神聖の力線》強いわーたぶん最強やわー」
って言ってたんで、サイド後ハンデス全部抜きました(^^


敗北ッ・・・!情報戦に圧倒的敗北ッ・・・!!




安田真幸
主な戦績
レガシー選手権2011 優勝
レガシー選手権2012 5位
プロツアーオースティン2008 出場
プロツアー名古屋2011 出場”
プロツアー“ドラゴンの迷路” 参加未遂

フォーマットを問わずプレイするオールラウンダー。レガシー選手権優勝、3度獲得したプロツアーの権利もすべて違うフォーマットというところからも、その器用さが伺える。
海外でのプレイ経験も豊富なベテランプレイヤーである。

本人のブログ:MTG戦歴を報告致します
過去の記事
「Modern Deck Tech このデッキを実物提示教育致します(Trico Traft)」

Deck Tech: 安田 真幸(大阪)の「ずっと俺のターン!」


「安田マサユキの “実物提示教育致します”」
第1回
第2回
第3回

「勝手に挑戦・PTQタルキール覇王譚~
Journey into Honolulu~」

その1



 
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