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市川ユウキ「俺より強い奴に会いに(フランスに)行くモダン調整編」 
 
text by Ichikawa Yuuki


0.導入

ボンジュ~ル!市川です。
と、言うことで12月2日よりフランスのニースで行われました世界選手権への調整録を綴ろうと思います。
世界選手権はフォーマットが多岐に渡りますので、今回は初日の構築フォーマットであったモダンに関してになります。
よろしくお願いします。





1.世界選手権前のメタゲーム予想

◇赤バーンタッチ《宝船の巡航》
第2期モダン神挑戦者決定戦 トップ8デッキリストより引用
ナカムラ ハジメ 「《宝船の巡航》バーン」
第2期モダン神挑戦者決定戦 (スイスラウンド4位)
20land
6 《山/Mountain》
3 《蒸気孔/Steam Vents》
1 《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》
4 《乾燥台地/Arid Mesa》
4 《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
2 《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》

13creature
4 《ゴブリンの先達/Goblin Guide》
4 《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》
1 《苛立たしい小悪魔/Vexing Devil》
4 《大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel》

27spell
4 《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《欠片の飛来/Shard Volley》
4 《頭蓋割り/Skullcrack》
3 《焼尽の猛火/Searing Blaze》
4 《裂け目の稲妻/Rift Bolt》
4 《宝船の巡航/Treasure Cruise》
15sideboard
4 《灼熱の血/Searing Blood》
4 《ドラゴンの爪/Dragon's Claw》
3 《摩耗/Wear》
2 《血の手の炎/Flames of the Blood Hand》
2 《石のような静寂/Stony Silence》
  タルキール覇王譚が加入して新しくなったモダン環境、まず一番最初にスポットライトを浴びたのはバーンでした。




火力という能動的に墓地に落ちるカード兼即効性のあるスペルと、《宝船の巡航》は相性が良いのは火を見るより明らかでしょう。(バーンだけに)
また、新しく加入した1マナクリーチャーである《僧院の速槍》はバーンデッキの第二の《ゴブリンの先達》であり、デッキの安定性もグッと上がりました。

この当時はまさにメタゲームはバーン一色と言った感じで、ナカムラさんのリストのサイドにたっぷりと取られた《ドラゴンの爪》もその様相を物語っているでしょう。

タルキール覇王譚のフルスポイラーが出た時からモダン環境を揺るがすカードになるのではないかと目されていた《宝船の巡航》を、バーンデッキは一番最初に強く組み込んだデッキと言えます。




◇《風景の変容》
MTGO Standingsより引用
LSV (4-0)
MODERN DAILY #7589579 ON 10/26/2014
25land
3 《繁殖池/Breeding Pool》
1 《溢れかえる果樹園/Flooded Grove》
2 《森/Forest》
3 《島/Island》
4 《霧深い雨林/Misty Rainforest》
2 《山/Mountain》
4 《蒸気孔/Steam Vents》
4 《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
2 《溶鉄の尖峰、ヴァラクート/Valakut, the Molten Pinnacle》

6creature
4 《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》
2 《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》

29spell
4 《風景の変容/Scapeshift》
4 《明日への探索/Search for Tomorrow》
4 《謎めいた命令/Cryptic Command》
4 《時を越えた探索/Dig Through Time》
2 《電解/Electrolyze》
3 《イゼットの魔除け/Izzet Charm》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《差し戻し/Remand》
15sideboard
2 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
1 《神々の憤怒/Anger of the Gods》
1 《殴打頭蓋/Batterskull》
1 《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All》
2 《業火のタイタン/Inferno Titan》
2 《クローサの掌握/Krosan Grip》
2 《否認/Negate》
2 《強情なベイロス/Obstinate Baloth》
1 《紅蓮地獄/Pyroclasm》
1 《白鳥の歌/Swan Song》
  タルキール覇王譚がもたらした探査スペルは《宝船の巡航》だけではありません。



今日までのモダン環境でいまいち一線級になれなかった《風景の変容》ですが、《時を越えた探索》は彼をトップメタに押し上げるマスターピースだったと言っても過言ではないでしょう。

相手の場を捌いたり、《桜族の長老》や《明日への探索》などのマナ加速スペルを唱えるたびに肥える墓地。
それを活用して唱える《時を越えた探索》の強さたるや。



貴方のお望みはなんですか?



《思考囲い》などを代表する各種手札破壊を擁するBG系のデッキに対して耐性が付き、カウンターを擁するデッキに対してはこのインスタントタイミングの2倍《Demonic Tutor》とも言えるスペルかメインフェイズでキャストされるかもしれない《風景の変容》と、対戦相手に不自由な二択を迫ります。





◇青赤デルバー

MTGO Standingsより引用
ERIKOBO(4-0)
MODERN DAILY #7532989 ON 10/10/2014
18land
4 《島/Island》
2 《山/Mountain》
4 《汚染された三角州/Polluted Delta》
4 《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
4 《蒸気孔/Steam Vents》

13creature
4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
1 《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》
4 《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
4 《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》

29spell
2 《二股の稲妻/Forked Bolt》
4 《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
4 《血清の幻視/Serum Visions》
4 《宝船の巡航/Treasure Cruise》
1 《四肢切断/Dismember》
4 《電解/Electrolyze》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
2 《差し戻し/Remand》
2 《呪文嵌め/Spell Snare》
1 《思考掃き/Thought Scour》
1 《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》
15sideboard
2 《血染めの月/Blood Moon》
1 《対抗変転/Counterflux》
2 《払拭/Dispel》
4 《ドラゴンの爪/Dragon's Claw》
2 《否認/Negate》
2 《大祖始の遺産/Relic of Progenitus》
2 《粉砕の嵐/Shatterstorm》




探査スペルを一番上手く使えるデッキは俺だ!
と最後に名乗りを上げたのは青赤デルバーです。
《秘密を掘り下げる者》を代表する優秀な軽量クロック、各種1マナのドロースペルを《宝船の巡航》がサポートしています。
軽いスペルで構成されているため、前環境ではどうしても中盤以降の線の細さが気になった青赤デルバーですが、《宝船の巡航》の加入によってそれは完全に払拭されました。

《血清の幻視》などの軽量のドロースペルが《宝船の巡航》へのアクセスを容易にしますし、その《宝船の巡航》はそれらの軽量のドロースペルを探査コストに充てることが可能です。
またその過程で場に《若き紅蓮術士》がいればリソースを注ぎ込むことなく盤面を制圧することも出来ます。

その合理的なデッキコンセプトからか、この当時は他の環境に存在するデッキと比べて一段上の完成度を誇りました。
Magic Onlineでも大流行し、このデッキと前述したバーンデッキを倒すためだけにメインから《コーの火歩き》を投入した白単ライフゲインデッキなるものも散見されました。


この時私はMagic Onlineで延々とスケープシフトをプレイテストしていました。
ただ、勝率は6割に届かないくらいとあまり芳しくなく。
思っていたよりマナベースがタイトで、安定性に欠けていたり。
またバーン、青赤デルバーのブン周りに太刀打ち出来なかったりと課題点は数多くありました。

この時はまだ回していなかったのですが、青赤デルバーは相手にしていると
『こんな盤面から捲られるのか・・・!』
と驚くような逆転を数多くされていて、デッキとしての底力を感じていました。

ただ、従来の青赤デルバーを持ち込んでも同型戦や、このデッキを想定しているデッキに対して高い勝率を保てるかは難しく、


”ネクストレベルな青赤デルバーが作れたらそれがベストな選択になりそう”


とこの時ぼんやりと考えていました。








2.メタゲーム予想続き~GPマドリードの結果を受けて~


世界選手権の約2週間前にモダンで行われたGPマドリード。
直近のモダンで行われるプレミアイベントと言うことで世界選手権に出場するプレイヤーも注目する大会。
その結果は非常に興味深いものでした。

◇青赤デルバーキラー!《出産の殻》デッキ


《宝船の巡航》、《時を越えた探索》という二大探査スペルを前に影の薄くなっていた《出産の殻》デッキですが、今GPではトップ8に3人!
最多数のプレイヤーをシングルエリミネーションに進出させる大躍進となりました。

GRAND PRIX MADRID 2014 TOP8より引用
JOSÉ ANTONIO RODRIGUEZ POZO
GRAND PRIX MADRID 2014 TOP8
23land
1 《森林の墓地/Woodland Cemetery》
2 《草むした墓/Overgrown Tomb》
1 《平地/Plains》
2 《寺院の庭/Temple Garden》
2 《ガヴォニーの居住区/Gavony Township》
4 《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
4 《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
2 《森/Forest》
1 《沼/Swamp》
1 《神無き祭殿/Godless Shrine》
3 《剃刀境の茂み/Razorverge Thicket》

28creature
1 《万戦の幻霊/Eidolon of Countless Battles》
4 《極楽鳥/Birds of Paradise》
1 《残忍なレッドキャップ/Murderous Redcap》
1 《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
2 《復活の声/Voice of Resurgence》
2 《台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks》
1 《叫び大口/Shriekmaw》
2 《タルモゴイフ/Tarmogoyf》
1 《修復の天使/Restoration Angel》
1 《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》
1 《オルゾフの司教/Orzhov Pontiff》
1 《静寂の守り手、リンヴァーラ/Linvala, Keeper of Silence》
1 《罪の収集者/Sin Collector》
1 《永遠の証人/Eternal Witness》
1 《スラーグ牙/Thragtusk》
1 《包囲サイ/Siege Rhino》
2 《貴族の教主/Noble Hierarch》
1 《呪文滑り/Spellskite》
1 《根の壁/Wall of Roots》
1 《スパイクの飼育係/Spike Feeder》
1 《テューンの大天使/Archangel of Thune》

10spell
1 《召喚の調べ/Chord of Calling》
3 《突然の衰微/Abrupt Decay》
2 《流刑への道/Path to Exile》
4 《出産の殻/Birthing Pod》
15sideboard
1 《召喚の調べ/Chord of Calling》
3 《窒息/Choke》
1 《戦争の報い、禍汰奇/Kataki, War's Wage》
1 《鷺群れのシガルダ/Sigarda, Host of Herons》
1 《納墓の総督/Entomber Exarch》
3 《思考囲い/Thoughtseize》
2 《引き裂く突風/Fracturing Gust》
3 《虚空の杯/Chalice of the Void》
なぜ彼らが一番トップ8に多いアーキタイプになったか、答えは簡単でした。


”青赤デルバーに強い”


青赤デルバーはライフを支払って《ギタクシア派の調査》をプレイしたり、フェッチランドからショックランドを持って来て《秘密を掘り下げる者》を展開したり。
初速と手数に長けている反面自分でライフを落とすことが非常に多いデッキなので、ライフレースを仕掛けてくるデッキを苦手としていました。






そのためマナクリーチャーから展開される《台所の嫌がらせ屋》をはじめとした除去耐性がありつつ、強力なCIP持ちのクリーチャー群。
その他《突然の衰微》や《流刑への道》などの優秀な軽量除去を有する《出産の殻》デッキは青赤デルバーにとって天敵と言える相手だったのです。





また、このリストではサイドに《窒息》と《虚空の杯》をたっぷりと取っていて、まさに青赤デルバー許すまじの構成。
どちらもカウンターや除去出来なかったらほぼそのままゲームセットのカードで、メインサイド共に青赤デルバーに有利な構成と言えるでしょう。






◇BGwミッドレンジ

GRAND PRIX MADRID 2014 TOP8より引用
MARCIO CARVALHO
GRAND PRIX MADRID 2014 TOP8
24land
4 《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
3 《湿地の干潟/Marsh Flats》
2 《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
2 《黄昏のぬかるみ/Twilight Mire》
3 《樹上の村/Treetop Village》
2 《地盤の際/Tectonic Edge》
2 《沼/Swamp》
1 《森/Forest》
1 《平地/Plains》
1 《寺院の庭/Temple Garden》
2 《草むした墓/Overgrown Tomb》
1 《神無き祭殿/Godless Shrine》

12creature
4 《タルモゴイフ/Tarmogoyf》
3 《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
4 《包囲サイ/Siege Rhino》
1 《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》

24spell
4 《思考囲い/Thoughtseize》
3 《未練ある魂/Lingering Souls》
3 《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》
1 《強迫/Duress》
1 《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》
4 《突然の衰微/Abrupt Decay》
2 《暗黒破/Darkblast》
1 《殺戮の契約/Slaughter Pact》
1 《四肢切断/Dismember》
3 《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》
1 《苦花/Bitterblossom》
15sideboard
1 《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》
3 《神聖の力線/Leyline of Sanctity》
3 《大爆発の魔道士/Fulminator Mage》
2 《機を見た援軍/Timely Reinforcements》
2 《石のような静寂/Stony Silence》
1 《最後のトロール、スラーン/Thrun, the Last Troll》
1 《ゴルガリの魔除け/Golgari Charm》
1 《忍び寄る腐食/Creeping Corrosion》
1 《悲哀まみれ/Drown in Sorrow》
  非《宝船の巡航》、非《時を越えた探索》デッキは《出産の殻》だけではありません。





モダンと言うフォーマットが始まって以来姿形を変えながら生き長らえて来たBG系ミッドレンジ、やはりこの環境もその対応力の高さからGPマドリードでは1人が入賞。

タルキール覇王譚から新加入した《包囲サイ》は前述した《出産の殻》デッキと、このデッキを底上げする1枚です。
バーンにはライフゲインが、青赤デルバーには前述したライフレース要員として頼もしい存在です。
CIP能力もそれに大きく貢献しますし、《若き紅蓮術士》のエレメンタルトークンによってのチャンプブロックを許さないトランプルは強力。





その他メインに採用された《暗黒破》、《強迫》など青赤デルバーへのガードの高さが伺えます。






このように




と言うメタゲームが直近のグランプリでは見て取れます。
その中で筆者が手に取ったデッキは・・・・!!






3.使用デッキ、理由
世界選手権2014 モダン 全デッキリストより引用
市川ユウキ
世界選手権2014
18land
4 《霧深い雨林/Misty Rainforest》
4 《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
3 《島/Island》
2 《蒸気孔/Steam Vents》
2 《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
1 《繁殖池/Breeding Pool》
1 《山/Mountain》
1 《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》

13creature
4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》
4 《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》
4 《タルモゴイフ/Tarmogoyf》
1 《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》

29spell
4 《稲妻/Lightning Bolt》
4 《血清の幻視/Serum Visions》
3 《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
3 《呪文嵌め/Spell Snare》
3 《思考掃き/Thought Scour》
2 《二股の稲妻/Forked Bolt》
2 《呪文貫き/Spell Pierce》
2 《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》
2 《差し戻し/Remand》
4 《宝船の巡航/Treasure Cruise》
15sideboard
1 《払拭/Dispel》
1 《マグマのしぶき/Magma Spray》
2 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
2 《剥奪/Deprive》
1 《破壊的な享楽/Destructive Revelry》
1 《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
2 《溶鉄の雨/Molten Rain》
2 《不忠の糸/Threads of Disloyalty》
1 《イゼットの静電術師/Izzet Staticaster》
1 《凶暴な拳刃/Savage Knuckleblade》
1 《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》




このデッキは前述したGPマドリードを優勝した青赤緑デルバーのリストをベースにしています。

GRAND PRIX MADRID 2014 TOP8より引用
IMMANUEL GERSCHENSO
GRAND PRIX MADRID 2014 CHAMPION
19land
1 《硫黄の滝/Sulfur Falls》
4 《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
4 《霧深い雨林/Misty Rainforest》
2 《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
1 《山/Mountain》
2 《蒸気孔/Steam Vents》
1 《繁殖池/Breeding Pool》
1 《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
3 《島/Island》

12creature
4 《タルモゴイフ/Tarmogoyf》
4 《若き紅蓮術士/Young Pyromancer》
4 《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》

29spell
2 《二股の稲妻/Forked Bolt》
1 《火柱/Pillar of Flame》
4 《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
4 《宝船の巡航/Treasure Cruise》
4 《血清の幻視/Serum Visions》
1 《電解/Electrolyze》
2 《呪文嵌め/Spell Snare》
2 《呪文貫き/Spell Pierce》
2 《差し戻し/Remand》
4 《稲妻/Lightning Bolt》
1 《思考掃き/Thought Scour》
2 《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》
15sideboard
2 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
2 《ドラゴンの爪/Dragon's Claw》
1 《冬眠/Hibernation》
1 《破壊的な享楽/Destructive Revelry》
2 《否認/Negate》
1 《払拭/Dispel》
2 《不忠の糸/Threads of Disloyalty》
1 《電謀/Electrickery》
3 《溶鉄の雨/Molten Rain》

僕たち世界選手権に参加する日本人プレイヤー、渡辺プロ、山本プロはGPマドリード後に集まってモダンのプレイテストをしてみたところ、この優勝した青赤緑デルバーと言うデッキコンセプトにポテンシャルを感じました。



▲理由



《タルモゴイフ》ってカードは強い!!!!!!!!!!!!!!11111111


え?今更?何言ってるの?頭イってるの?
って思っている読者の方々には申し訳ないですが詳細を書きたいと思います。
これから暫く《タルモゴイフ》と言う語句が羅列することになりますがご了承下さい。《タルモゴイフ》。


・対処し辛い




環境が《宝船の巡航》を軸にした青赤ベースのデッキで蔓延している中、《タルモゴイフ》の除去耐性は以前にも増してより上がりました。
《稲妻》などのバーンスペルではこちらがケアすれば概ね《タルモゴイフ》は対処出来ません。
この特性は青赤デルバー系同型や、スケープシフトなどのコンボデッキに対して他のデルバーデッキと比べて一線を画す長所です。





・《宝船の巡航》と意外と共存出来る




墓地を減らすカードである《宝船の巡航》と《タルモゴイフ》、一見相性の悪い二つのように見えますが・・・・・実は!それほどでもありません。

墓地が0枚になっても《宝船の巡航》を解決してまずは《宝船の巡航》が墓地に  ―ソーサリー
その後引いて来たフェッチランドを切って ―土地
《稲妻》を《秘密を掘り下げる者》へ ―インスタント、クリーチャー

と、この例は少しばかり出来過ぎている感じもしますが、プレイテストをしている中では引いてくるカードが土地でもフェッチランドの方が多いですし、何より土地を極限まで切り詰めているこのデッキではドローするカードは殆どスペル。
《宝船の巡航》をキャスト後にカードタイプを損なうことは殆どありませんでした。
勿論相手の墓地もありますしね。



以上の点からこの青赤緑デルバーが前述した

”ネクストレベルな青赤デルバー”



であることを確信し、私たち日本チームはこのデッキを調整することに決めたのです。





4.各種パーツの解説~メインボード~

以下はGPマドリード優勝リストと比べて、大きく変更した点を解説します。


▽《若き紅蓮術士》の非採用



《出産の殻》デッキだったら《オルゾフの司教》。
デルバーデッキ同型だったら《二股の稲妻》。
スケープシフトだったら《電解》やメインボードから投入された《紅蓮地獄》  など。

とにかく対処されやすいカードであることがネックでした。
青赤デルバーは環境でも1、2を争う意識されているデッキの為、このようにメタられやすいカードの評価は大幅にマイナス。
《タルモゴイフ》とマナ域が被っていて2マナ域が過多に感じられたことも一つの要因です。




▽《僧院の速槍》の採用



採用!と呼ぶには目新しいカードでは無いですが、一応ベースとの比較なので。
《若き紅蓮術士》を非採用、《僧院の速槍》を採用することでマナ域を一つ下げることが出来ました。
それによりデッキとしてより一貫性のあるシャープな動きが可能に。
盤面に残ってくれれば相当数のダメージを稼ぎ出しますし、《タルモゴイフ》を出す前の露払い的な役割も担えます。




▽ 《思考掃き》、《呪文嵌め》の増量



《思考掃き》を1ターン目にキャストしてから2ターン目《タルモゴイフ》!4/5!強い!
とまあこんな感じで《タルモゴイフ》との相性の良さもあって増量、勿論《宝船の巡航》とのシナジーは凶悪です。
デッキコンセプト的には4枚あっても良いくらいですが引き過ぎると少しもっさりしてしまうので3枚に。

また《思考掃き》を増量した兼ね合いで気持ち程度に《瞬唱の魔道士》を1枚。
コンボデッキに腐りやすい《蒸気の絡みつき》でスペルを再利用したり出来、1枚ではありますがデッキの縁の下の力持ちのような存在です。
1枚~4枚全ての枚数を試しましたが多数引き過ぎてしまうともっさりしてしまうので1枚に抑えることに。

《呪文嵌め》は同型の《若き紅蓮術士》、BG系の《タルモゴイフ》、スケープシフトの《桜族の長老》など環境に存在するデッキの要所が2マナに寄っていることから強さを感じ、3枚採用。






5.各種パーツの解説~サイドボード~

全てを書くと大量になってしまうので要所を抑えて。

▽《剥奪》の採用


スケープシフトを代表とするコンボデッキをメインターゲットとした枠で、最初は《否認》を取っていたのですが、サイド後のスケープシフトの




ベイロス!ベイロス!赤タイタン!

のようなクリーチャー戦略に対して《否認》は思惑から外れるサイドボードカードだと感じました。
なので全てのカードをカウンター出来る《剥奪》に。





▽《凶暴な拳刃》の採用



追加の《タルモゴイフ》。
《呪文嵌め》もされないのでミラーマッチでも気軽に出しやすい点、墓地対策に引っかからない点、《稲妻》などの軽量除去で対処されない点などで相手のサイドボーディングの裏を掻くカードです。




▽《イゼットの静電術師》の採用



対青赤デルバー戦での《若き紅蓮術士》対策。
基本的には青赤デルバーとのマッチアップはこちらだけ対処され辛いクロックである《タルモゴイフ》が入っている分有利でありますが《若き紅蓮術士》が盤面に残ってしまうゲーム展開になってしまうと話は別です。

《若き紅蓮術士》はこちらの《呪文嵌め》や《稲妻》など、様々なスペルで対処出来ますが、出来ないと負けてしまうゲームになる為追加の対処法を。
しかもエグい奴、《若き紅蓮術士》許すまじ!!!!


・・・その他白単ライフゲインや、青緑感染などのローグデッキにも強いところが長所です。





6.末尾と予告

以上でモダンデッキの調整録は終了です。

公式のインタビューでも答えたのですが、
このデッキを調整している時に私はレガシーの『カナディアン・スレッショルド』をイメージしながらカードを当て嵌めて行きました。

1マナ域のクリーチャーは8枚、2マナ域は4枚くらいで。
《呪文嵌め》と《呪文貫き》はレガシーでは2:2だけど《目くらまし》が無いから《呪文嵌め》を1枚増やしてみたり。
また、サイドボードにモダン版の《水没》、それは難しいにしても《急流》は無いかとMagic Onlineのコレクションを2時間眺め続けたりもしました。無かったけど。




素打ちがあと1マナ軽かったら入れた!!!・・・かも?





《タルモゴイフ》出てれば10点ゲイン!
《僧院の速槍》も頑張れば10点ゲイン!
バーンへの最終兵器だ!(用途狭すぎて入らず)





《変異原性の成長》はモダン版《目くらまし》だ!(そんなわけが無かった)



・・・などなど、簡単に言うと不毛な時間に終わることも多々ありましたが、やっぱりこうやって小さいところから細かくデッキを組み上げていくのは楽しいですね。
MTGの醍醐味だなあと、疲労感の中に満足感が漂う感じ。





デッキ完成後のプレイテストでは私たちが制作した青赤緑デルバーは驚異的な勝率を誇り、初日に行われるモダンラウンド4回戦に私は胸を躍らせていました。







如何でしたでしょうか、その結果は後ほどまとめて。
取りあえず、次回はスタンダード調整録でお会いしましょう。









こんなに頑張ったのに2-2だった市川


市川ユウキ
マスクスブロック時代よりMTGを始め、インベイジョンが入る頃に引退。
ミラディンの傷跡が発売した頃にMagic OnlineでMTGに復帰。
ほぼ同時期にニコニコ生放送にて"瀬畑"のハンドルネームでMagicOnline配信を開始。
その独特で軽妙な毒舌トークと、確かな実力から人気を博す。

配信者としてのキャリアを重ねると共に地道な努力を続け、2013年MOPTQを2期連続で突破。
更に日本レガシー選手権において前人未到の2連覇を果たし一気に国内においてブレイク。

そして2014年。『プロツアー・ニクスへの旅』『プロツアー・マジック2015』において、
2連続プロツアーTOP8入賞を果たし、プロ最高ランクであるプラチナレベルにまで上り詰める。
『プロツアー・マジック2015』において使用した《世界を目覚めさせる者、ニッサ》を4枚投入した『ジャンド・プレインズウォーカー』デッキは世界のトッププレイヤー達から賞賛を受けるなど、デッキチューナーとしての評価も高まっている。

正に今、世界で最も注目を集めているプレイヤーだ。


主な戦績
・プロツアー・マジック2015 6位
・プロツアー・ニクスへの旅 4位
・グランプリ神戸2014 7位
・The Last Sun 2013 ベスト8
・Eternal Festival Tokyo 2013  3位
・2013日本レガシー選手権(夏)優勝
・2013日本レガシー選手権(春)優勝

市川ユウキ(瀬畑太郎)
「瀬畑太郎の紙とMOのあいだ」

第1回
第2回
第3回

特別企画「新環境でつかまえて」

”プロツアーニクスへの旅”に向けての調整録

市川ユウキのGP神戸調整録

市川ユウキのPTタルキール覇王譚調整録

市川ユウキのアブザンリアニ解説

市川ユウキ日本代表への道
第1回 今までのおさらい
第2回 Rabble Red&ローグ特集
最終回 何故市川は勝てなかったのか

市川ユウキの「これを1000枚買え!!!」
タルキール覇王譚編


 
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