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「BMワンダーフォーゲル部」
第10回 テンペスト《山/Mountain》#D
 
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text by Hayashi Shoya

マジックの歴史上、《山》が一番輝いていた瞬間はどのタイミングなのでしょう?
このような質問をされた時の答え方は人によって様々だと思うのですが、僕は「デッドガイ・レッド」が『テンペスト』のブロック構築で脚光を浴びた時だと考えています。


プロツアー・ロサンゼルス98優勝
Player:David Price
Format:テンペスト・ブロック構築(テンペストのみ)
20land
16《山/Mountain》
4《不毛の大地/Wasteland》

21creature
4 《ジャッカルの仔/Jackal Pup》
4 《モグの徴集兵部隊/Mogg Conscripts》
4 《モグの狂信者/Mogg Fanatic》
4 《モグの略奪者/Mogg Raider》
4 《峡谷の山猫/Canyon Wildcat》
4 《投火師/Fireslinger》
2 《ラースのドラゴン/Rathi Dragon》

14spell
4《焚きつけ/Kindle》
4《巨人の力/Giant Strength》
4《呪われた巻物/Cursed Scroll》
2《煮沸ばさみ/Scalding Tongs》

15Sideboard
1《ラースのドラゴン/Rathi Dragon》
1《黙示録/Apocalypse》
2《凶運の彫像/Jinxed Idol》
2《煮沸ばさみ/Scalding Tongs》
4《粉砕/Shatter》
4《石の雨/Stone Rain》
1《拷問室/Torture Chamber》



このデッキは今までのスライ戦略である「1ターン目からマナカーブを埋めて、序盤の優位を築こう」という戦略を用いつつ、従来のスライよりも少しデッキを重くすることでクリーチャーの質も高めたデッキです。
このデッキが強すぎて《呪われた巻物/Cursed Scroll》がブロック構築で禁止になったという話もあります。


最近では「カウブレード」や「ジャンド」等、どっしりと構えるデッキが「王者のデッキ」と呼ばれがちですが、矢継ぎ早の構成を仕掛ける赤単こそが王者のデッキだった瞬間も、確かにあったのです。



王者「デッドガイ・レッド」が誕生した『テンペスト』。そこに収録されている《山》はどれも荒々しく、『テンペスト』の舞台である次元・ラースがいかに荒廃した世界であるかを示すものとなっています。

ラースが危険な次元であるというのを裏付けるように、テンペストで収録されている赤いクリーチャーは

・特攻精神あふれ、傍目で危険だとわかる《稲妻の精霊》
・凶暴なスリヴァー
・絶えず変容し続ける物質である流動石で出来たクリーチャー
・ファイレクシアによって品種改良されたゴブリン、モグ。
・《ホタル》



と、やばいやつばかりです。
こんな次元好き好んでいく人なんていませんね……とは、こういう話題が出るたびに毎回言っている気がします。
ファンタジーの世界は生き辛いんだ……


今日は危険な山としてしられるワシントン山を紹介して筆を置きたいと思います。
絶えず気象が変わり、強風吹きすさぶ山だそうです。



(編:ホタルはいいだろホタルは)

 
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