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村栄龍司「グランプリ名古屋本戦参加レポート」
 
text by Ryuji Murae 

 こんにちは。週末はグランプリ名古屋に参加してきました。
三日間を通してとても楽しいイベントだったのですが、今回は本戦にも参加できたので、本戦参加レポートを行いたいと思います。

 シートオール時にアナウンスがあり、参加者1785人の初日9回戦。

 今回はMagic Onlineを導入したことによって毎日リミテッドを練習できたので、その成果を出せるように頑張りたいと思います。




本戦初日

 まずは初日の命運を握る自分のプールチェック。


MOで試したい方は、右クリックで保存してください。
sample pool

1《受勲したグリフィン/Decorated Griffin》
1《グリフィンの夢掴み/Griffin Dreamfinder》
1《羽撃王/Ornitharch》
1《勇気の元型/Archetype of Courage》
1《ニクス生まれの盾の仲間/Nyxborn Shieldmate》
1《旅する哲人/Traveling Philosopher》
1《セテッサの戦神官/Setessan Battle Priest》
1《乗騎ペガサス/Cavalry Pegasus》
1《アクロスの空護衛/Akroan Skyguard》
1《エファラの輝き/Ephara’s Radiance》
1《剥離/Excoriate》
1《今わの際/Last Breath》
1《ヘリオッドの試練/Ordeal of Heliod》
1《定命の者の熱意/Mortal’s Ardor》



1《海の神、タッサ/Thassa, God of the Sea》
1《地平の識者/Horizon Scholar》
1《予知するスフィンクス/Prognostic Sphinx》
1《高巣の崇拝者/Aerie Worshippers》
1《タッサの使者/Thassa’s Emissary》
1《蒸気の精/Vaporkin》
1《波濤砕きのトリトン/Wavecrash Triton》
1《氾濫潮の海蛇/Floodtide Serpent》
1《無効化/Nullify》
1《迷宮での迷子/Lost in a Labyrinth》
1《一過性の知力/Evanescent Intellect》
1《層雲歩み/Stratus Walk》
1《突然の嵐/Sudden Storm》
1《捕海/Griptide》
1《阻まれた希望/Stymied Hopes》



1《形見持ちのゴルゴン/Keepsake Gorgon》
1《エレボスの使者/Erebos’s Emissary》
1《蘇りしケンタウルス/Returned Centaur》
1《オドゥノスの黒樫/Black Oak of Odunos》
1《肉餓えの馬/Fleshmad Steed》
1《血集りのハーピー/Blood-Toll Harpy》
1《ニクス生まれの幻霊/Nyxborn Eidolon》
1《彷徨える魂の勇者/Champion of Stray Souls》
1《アショクの心酔者/Ashiok’s Adept》
1《毒々しいカトブレパス/Loathsome Catoblepas》
1《悪魔の皮の喧嘩屋/Felhide Brawler》
1《見捨てられし流れ者/Forsaken Drifters》
1《窒息死/Asphyxiate》
1《金箔付け/Gild》
1《鞭の一振り/Lash of the Whip》
1《一口の草毒/Sip of Hemlock》
1《宿命的復活/Fated Return》
1《死の国の重み/Weight of the Underworld》
1《エレボスの催促/Claim of Erebos》


1《国境地帯のミノタウルス/Borderland Minotaur》
1《不機嫌なサイクロプス/Ill-Tempered Cyclops》
1《雷の粗暴者/Thunder Brute》
1《ミノタウルスの頭蓋断ち/Minotaur Skullcleaver》
1《一つ目峠のサイクロプス/Cyclops of One-Eyed Pass》
1《無謀な歓楽者/Reckless Reveler》
1《クラグマの解体者/Kragma Butcher》
1《アクロスの十字軍/Akroan Crusader》
1《ニクス生まれのお調子者/Nyxborn Rollicker》
1《ケラノスの嵐呼び/Stormcaller of Keranos》
1《野蛮な祝賀者/Wild Celebrants》
1《性急な太陽追い/Impetuous Sunchaser》
1《マグマの噴流/Magma Jet》
1《難題への挑戦/Rise to the Challenge》
1《槌の一撃/Fall of the Hammer》



1《ネシアンの狩猟者/Nessian Courser》
1《葉冠のドライアド/Leafcrown Dryad》
1《ケンタウルスの武芸者/Swordwise Centaur》
1《菅草の蠍/Sedge Scorpion》
1《彼方の工作員/Agent of Horizons》
1《フィーリーズ団の精鋭兵/Pheres-Band Tromper》
1《ケンタウルスの戦上手/Centaur Battlemaster》
1《ネシアンのアスプ/Nessian Asp》
2《サテュロスの道探し/Satyr Wayfinder》
1《ナイレアの存在/Nylea’s Presence》
1《ケイラメトラの好意/Karametra’s Favor》
1《霊気のほころび/Unravel the AEther》
1《残忍な発動/Feral Invocation》
1《狩人狩り/Hunt the Hunter》


マルチカラー
1《エファラの啓蒙/Ephara’s Enlightenment》
1《静寂の歌のセイレーン/Siren of the Silent Song》
1《都市国家の破壊者/Polis Crusher》


土地・アーティファクト
1《速羽根のサンダル/Fleetfeather Sandals》
1《こそ泥の兜/Prowler’s Helm》
1《メレティスの守護者/Guardians of Meletis》

 レアの色が青黒に偏っています。

 他のプールを見ても、低マナ域のカードに不安が残るものの、しっかりデッキに必要な分のカードも揃っていたので青黒に決定。
緑と赤も及第点なカードが揃っていましたが、レアを多く使える方を選択しました。

デッキはこちら
sample deck
17land
9《沼/Swamp》
8《島/Island》

16creature
1《肉餓えの馬/Fleshmad Steed》
1《蒸気の精/Vaporkin》
1《ニクス生まれの幻霊/Nyxborn Eidolon》
1《血集りのハーピー/Blood-Toll Harpy》
1《波濤砕きのトリトン/Wavecrash Triton》
1《海の神、タッサ/Thassa, God of the Sea》
1《静寂の歌のセイレーン/Siren of the Silent Song》
1《オドゥノスの黒樫/Black Oak of Odunos》
1《高巣の崇拝者/Aerie Worshippers》
1《タッサの使者/Thassa’s Emissary》
1《エレボスの使者/Erebos’s Emissary》
1《蘇りしケンタウルス/Returned Centaur》
1《予知するスフィンクス/Prognostic Sphinx》
1《形見持ちのゴルゴン/Keepsake Gorgon》
1《地平の識者/Horizon Scholar》
1《彷徨える魂の勇者/Champion of Stray Souls》


7spell
1《窒息死/Asphyxiate》
1《突然の嵐/Sudden Storm》
1《金箔付け/Gild》
1《捕海/Griptide》
1《鞭の一振り/Lash of the Whip》
1《一口の草毒/Sip of Hemlock》
1《宿命的復活/Fated Return》



 高マナ域がパワーカード揃いのそこそこ強力なデッキだと思います。
 十分に二日目は狙えるプールでした。

 ただ、組んだ後デッキを見せた全員に指摘されたのですが、さすがに《宿命的復活》はやりすぎでした。実際その通りなので、サイドボード後は毎回最も弱い部分の序盤に有効な《無効化》《阻まれた希望》を追加していました。ここはこのグランプリで一番のミスでした。

 初日の結果は2byeの後6戦目と9戦目に負けて7-2で初日通過でした。
反省の意味も込めて、1敗目を喫した6戦目を振り返ります。


Game1
 序盤は優勢だったのですが、《厄介なキマイラ》の対処を手札に2枚あった確定除去ではなく《形見持ちのゴルゴン》の怪物化で行おうとした結果、土地を引かずに相手だけ展開していく形に、そのままずるずると押されて負け。


Game2

 こちらの場に《予知するスフィンクス》《形見持ちのゴルゴン》《オドゥノスの黒樫》、相手の場に《メレティスのダクソス》《エファラの管理人》といた場で、ゴルゴンの怪物化で管理人を除去し、《予知するスフィンクス》の占術で除去を探しに行くプランを取った結果、一度占術をした返しにダクソスに《液状化》をつけられて僕のライブラリートップにあった《エレボスの使者》を授与、さらに次ターンに《希望の幻霊》まで授与。

 ダクソスの能力の関係上、土地をトップに置き続ける必要があったのでスフィンクスの占術が実質2になり、除去を見つけられずダメージレースで負け。

 Game1は《厄介なキマイラ》の対処をさっさとしてしまうべきでした。完全に練習不足でした。Game2はプランニングが完全に裏目になった形に。《メレティスのダクソス》は1枚でゲームを決める力を持つクリーチャーなので、「占術で除去を探す」という考えは楽観的だったかなと思います。スフィンクスに授与できればゲームを決められますが、ダクソスで相手に取られてしまうと致命的な《エレボスの使者》を占術でトップに置いたのも軽率でした。




 負けてしまったものは仕方ない、と気持ちを切り替えて残りのゲームに臨みましたが、7-1で迎えた9戦目、土地事故に加えてgame1は軽量クリーチャーと《嵐の息吹のドラゴン》、game2は軽量クリーチャーと《炎輪のフェニックス》と展開してくる赤白の前にあえなく2敗目を喫することに。

 初日は1敗までに抑えたいと毎回思うのですが、そう簡単にいかないのがグランプリの難しい所です。

 なんにせよGP北九州以来、リミテッドはGP横浜以来の二日目通過です。TOP8の目もまだ残っているので、気を取り直してのドラフトです。




グランプリ二日目
1stドラフト

 1-1《窒息死》から黒の流れがよかったので黒を中心にピック。
 途中で流れてくる牛を捕獲していたら、2枚のロードを含めて7枚集まりました。
sample deck
17land
10《沼/Swamp》
7《山/Mountain》

18creature
1《アスフォデルの放浪者/Asphodel Wanderer》
2《悪魔の皮の喧嘩屋/Felhide Brawler》
1《無謀な歓楽者/Reckless Reveler》
1《サテュロスの散策者/Satyr Rambler》
1《怒血のシャーマン/Rageblood Shaman》
2《ミノタウルスの頭蓋断ち/Minotaur Skullcleaver》
1《運命の工作員/Agent of the Fates》
1《ティマレットの召使い/Servant of Tymaret》
2《モーギスの匪賊/Mogis’s Marauder》
1《モーギスの狂信者/Fanatic of Mogis》
1《絶望の偽母/Forlorn Pseudamma》
1《フィナックスの信奉者/Disciple of Phenax》
2《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》
1《クラグマの戦呼び/Kragma Warcaller》

5spell
1《毒蛇座の口づけ/Viper’s Kiss》
1《ファリカの療法/Pharika’s Cure》
1《窒息死/Asphyxiate》
2《一口の草毒/Sip of Hemlock》


 《彩色マンティコア》が2枚流れてくる不穏な卓でしたが、卓内で黒メインなのが僕一人だったようで、《アスフォデルの灰色商人》《モーギスの匪賊》を2枚ずつピックできたのが大きかったです。《運命の工作員》の英雄的は期待できませんが、接死と信心に貢献できる分で働いてはくれるはず。

 2マナ域<3マナ域なのがテンポ的に不安でしたが、部族シナジーもロードもあり、《一口の草毒》で最後の押し込みの期待もできる、悪くないデッキだったと思います。

 結果は緑白に勝ち、赤白タッチ黒に負け、緑黒に勝ちで2-1。

 これで3敗。TOP8の目が無くなりました。初日に2敗するとこれがつらい。

 賞金圏内ではあるので、そこを維持するために2ndドラフトへ。





2ndドラフト

 1-1で《窒息死》を流して《ニクス生まれの幻霊》をピック。すると1-2、1-4にも《窒息死》が・・・

 1-2、1-3で《オレスコスの太陽導き》《散兵の精鋭》とピックしていたのですが、1-4で諦めて《窒息死》をピック。その後黒をメインにピックしつつ、流れてきた《突然の嵐》《厄介なキマイラ》だけつまんで1パック目終了。ここで一色は黒は決まったのですが、残りはまだ決められないまま。

 2パック目でも思うように色を決められず、仕方がないので黒のカードを中心にピック。

 3パック目で上家から《船壊しのクラーケン》が流れてきたので、ここから全力で青いカードをピックしにいってできたのがこのデッキです。
sample deck
17land
9《沼/Swamp》
8《島/Island》

14creature
2《前兆語り/Omenspeaker》
2《ニクス生まれの幻霊/Nyxborn Eidolon》
2《肉餓えの馬/Fleshmad Steed》
1《トリトンの財宝狩り/Triton Fortune Hunter》の
1《はじけるトリトン/Crackling Triton》
1《モーギスの匪賊/Mogis’s Marauder》
1《フィナックスの信奉者/Disciple of Phenax》
1《タッサの使者/Thassa’s Emissary》
1《厄介なキマイラ/Perplexing Chimera》
1《海檻の怪物/Sealock Monster》
1《船壊しのクラーケン/Shipbreaker Kraken》


9spell
1《目抉り/Eye Gouge》
1《阻まれた希望/Stymied Hopes》
1《エレボスの試練/Ordeal of Erebos》
1《窒息死/Asphyxiate》
1《忌まわしい変身/Grisly Transformation》
1《屍噛み/Necrobite》
1《突然の嵐/Sudden Storm》
1《鞭の一振り/Lash of the Whip》
1《一口の草毒/Sip of Hemlock》


 2マナクリーチャーが6枚あるのでビート戦略はとれそうです。《ニクス生まれの幻霊》もこのデッキでは素出しを前提としています。

 高マナ域のクリーチャー・除去も一通り揃ってはいるので、相手の周り次第で2勝できればいいな、というデッキが出来上がりました。

 結果は青赤に勝ち、赤黒に勝ち、IDの2-0-1。本当に対戦相手の事故に付け込んで勝てたゲームがいくつかありました。

 《殺戮の神、モーギス》《パーフォロスの槌》《燃えさし呑み》《嵐の息吹のドラゴン》入りの下家と当たった時、1ゲームを事故で取れたのは本当にラッキーでした。

 デッキパワーは低いながらも初動はかなり安定していたので、最初に考えていたよりも悪くないデッキだったのかな、と思います。



終わりに

 というわけで本戦は11-3-1で30位、プロポイント2と400ドルを獲得しました。

 振り返ると、全てのデッキに黒が入っています。

 黒は色拘束が強いカードが多く、《アスフォデルの灰色商人》がいかに使えるか、というイメージを持っていたので、商人が入る確率が減る神々の軍勢後は弱くなったというイメージを持っていたのですが、以前より更にテンポが重要な環境になった事で、《窒息死》《ニクス生まれの幻霊》といったテンポを失わないカードを擁する黒は、僕のなかで徐々に評価を上げていました。

 シールドの色選択はプール次第ですが、ドラフトは特に黒を意識してピックしたのが結果的には良かったのではないかな、と思っています。

 初日のプールに恵まれた事や、二日間を通して引きに助けられた部分も多くありましたが、今回は練習した事が結果に出せたグランプリでした。

 マジック、特にリミテッドは自分の引き出しにあるものの数で結果が大きく変わるフォーマットだと思います。

 運が絡むゲームとはいえ、3敗したのは自分の力が足りていなかったと感じています。

 やり込めば絶対に結果が出るわけではありませんが、運や勢いが少し自分に向いたときにそれを無駄にしないよう、今後も練習を続けていきたいものです。


 最後に、グランプリ本戦二日目に残った人と話をすると、「一日目より楽しい」と言う話をよく聞きます。

 僕もグランプリは二日目、そしてSEでゲームをしているときが一番楽しいと思っています。

 その時にしか味わえない空気・雰囲気が絶対にあるので、グランプリ本戦に参加している方には是非ともその空気を味わってもらえればと思います。




 以上でグランプリ名古屋、本戦参加レポートはおしまいです。

 次回の国内グランプリは8月の神戸がありますが、その前にも5月10、11日に横浜で『BIG MAGIC OPEN』が行われます。

 僕は会場で色々やっていると思うので、イベントに参加される方はそこでお会いしましょう!


 
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