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「岡本桂多のKill them All!」第2回デュエルコマンダー解説〜統率者2013が呼びこんだ新しい風〜前編 
 
text by Keita Okamoto

 こんにちは、統率者戦担当の岡本桂多です!


 統率者セット2013も発売されて一ヶ月が経ちましたが、新セットのカードはみなさんの統率者ライフにどんな影響を与えたでしょうか。

 新しく使い始めた統率者、新統率者を使い始めたけど結局元の統率者に戻ってしまった、新録カードが大活躍している等々、少なくはない影響があったと思います。

 僕も新しいデッキを構築したり、新しいカードを採用したり、色々と試行錯誤しています。





 今回はいつもの統率者戦ではなく、デュエルコマンダーについての記事になります。

前回の記事とは異なり、ルールよりは環境、デッキの話をメインに書いていきたいと思います。





 まず前回の記事の「環境」の欄のおさらいをすると


・トップメタはクロックパーミッション(《戦争のアスラ、ジェナーラ/Jenara, Asura of War》《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》等)

・次点で緑絡みのデッキ(《背教の主導者、エズーリ/Ezuri, Renegade Leader》《幽霊の酋長、カラドール/Karador, Ghost Chieftain》《大渦の放浪者/Maelstrom Wanderer》等)




 つまり、恐らくどのフォーマットよりもテンポが重要になっている環境と言えるでしょう。

 また、普段の統率者戦と異なり、黒絡みのデッキと赤絡みのデッキが極端に少なくなっています。


 まず今回の記事は、先日BIGMAGIC池袋店で行われたデュエルコマンダー大会の優勝デッキレシピから紹介したいと思います。


BIGMAGIC池袋店 Duel Commander杯優勝者デッキリスト
《浄火の戦術家、デリーヴィー/Derevi, Empyrial Tactician》

1general
《浄火の戦術家、デリーヴィー/Derevi, Empyrial Tactician》

29land
3《島/Island》
3《森/Forest》
3《平地/Plains》
《繁殖池/Breeding Pool》
《寺院の庭/Temple Garden》
《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
《Savannah》
《Tropical Island》
《Tundra》
《霧深い雨林/Misty Rainforest》
《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
《汚染された三角州/Polluted Delta》
《湿地の干潟/Marsh Flats》
《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
《乾燥台地/Arid Mesa》
《樹木茂る山麓/Wooded Foothills》
《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
《ドライアドの東屋/Dryad Arbor》
《統率の塔/Command Tower》
《真鍮の都/City of Brass》
《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle》
《高級市場/High Market》


28creature
《呪い捕らえ/Cursecatcher》
《ルーンの母/Mother of Runes》
《アヴァシンの巡礼者/Avacyn’s Pilgrim》
《東屋のエルフ/Arbor Elf》
《エルフの神秘家/Elvish Mystic》
《Fyndhorn Elves》
《審判官の使い魔/Judge’s Familiar》
《フェアリーの大群/Cloud of Faeries》
《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
《波止場の用心棒/Waterfront Bouncer》
《幻影の像/Phantasmal Image》
《トゲ尾の雛/Spiketail Hatchling》
《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》
《ティタニアの僧侶/Priest of Titania》
《花を手入れする者/Bloom Tender》
《翻弄する魔道士/Meddling Mage》
《エイヴンの思考検閲者/Aven Mindcensor》
《悪鬼の狩人/Fiend Hunter》
《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》
《永遠の証人/Eternal Witness》
《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》
《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph》
《古術師/Archaeomancer》
《セファリッドの仲介人/Cephalid Broker》
《エレンドラ谷の大魔導師/Glen Elendra Archmage》
《影武者/Body Double》
《太陽のタイタン/Sun Titan》
42spell
《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
《悟りの教示者/Enlightened Tutor》
《流刑への道/Path to Exile》
《呪文貫き/Spell Pierce》
《神秘の教示者/Mystical Tutor》
《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》
《狼狽の嵐/Flusterstorm》
《もみ消し/Stifle》
《精神的つまづき/Mental Misstep》
《俗世の教示者/Worldly Tutor》
《自然の要求/Nature’s Claim》
《有毒の蘇生/Noxious Revival》
《対抗呪文/Counterspell》
《差し戻し/Remand》
《マナ漏出/Mana Leak》
《遅延/Delay》
《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》
《エラダムリーの呼び声/Eladamri’s Call》
《誤った指図/Misdirection》
《Force of Will》
《青の太陽の頂点/Blue Sun’s Zenith》
《天才のひらめき/Stroke of Genius》
《召喚の調べ/Chord of Calling》
《スフィンクスの啓示/Sphinx’s Revelation》
《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》
《親身の教示者/Personal Tutor》
《商人の巻物/Merchant Scroll》
《加工/Fabricate》
《牧歌的な教示者/Idyllic Tutor》
《時間のねじれ/Time Warp》
《荊州占拠/Capture of Jingzhou》
《時間操作/Temporal Manipulation》
《永劫での歩み/Walk the Aeons》
《時間の熟達/Temporal Mastery》
《楽園の拡散/Utopia Sprawl》
《繁茂/Wild Growth》
《肥沃な大地/Fertile Ground》
《森の知恵/Sylvan Library》
《はびこり/Overgrowth》
《沿岸の海賊行為/Coastal Piracy》
《タッサの二叉槍/Bident of Thassa》
《出産の殻/Birthing Pod》
 まだデュエルコマンダーというフォーマットでの大会の回数が少ないとはいえ、早速新統率者《浄火の戦術家、デリーヴィー/Derevi, Empyrial Tactician》が華麗に優勝をかっさらっていきました。


 統率者セットが発売する前から身内の間で「デリーヴィーはデュエルコマンダーでヤバい」と話題でしたが、案の定と言ったところですね。海外の大会でもトップ8にいくつも食いこんでいます。


 デッキの動きは、まず序盤は緑の強みである1ターン目からのマナ加速でマナ域をジャンプアップさせます。

 次に、何体かのクリーチャーで攻撃できる状態になったら《浄火の戦術家、デリーヴィー/Derevi, Empyrial Tactician》を出して、攻撃を通して自分の土地をアンタップさせつつ更に展開していきます。

そうすると、青を採用する最大の利点であるカウンター呪文を構えながら自分だけどんどんクリーチャーを展開していける状況に持ち込めます。

 もちろんそれだけではすぐに手数が尽きてしまうので、クリーチャーサーチから《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》を探して来たり、エンチャント・アーティファクトサーチから《タッサの二叉槍/Bident of Thassa》《沿岸の海賊行為/Coastal Piracy》を探して来たりしてどんどん手札を補充していきます。

 この状況まで持っていければそうそう負けることはありません。追加ターン系を撃って、攻撃を通して、次の追加ターン系を回収or引いてまた撃って、という統率者戦と同様のいわゆる「エドリックループ」にすぐに持ち込めますし、デュエルコマンダー特有のカードチョイスである《スフィンクスの啓示/Sphinx's Revelation》などのX枚ドローをフルパワーで放ってアドバンテージ差をつけてそのまま押し切る事もできます。




 普段の統率者戦との違いをメインにこのデッキの強さを見ていきましょう。

 攻めている時は《トレストの密偵長、エドリック/Edric, Spymaster of Trest》等の「攻撃が通ったらドロー」系のカードを絶対に引いてこないと3人全員を倒すためには絶対に手数が足りなくなるので安定性に若干の難があります。

 しかしデュエルコマンダーではただ打消しを構えながら飛行クロックで攻撃して、1回追加ターンを得るだけでなんとなく勝ってしまう事もあります。つまり削るべきライフが少ないという点が強みの一つです。

 次に、守る時は《浄火の戦術家、デリーヴィー/Derevi, Empyrial Tactician》を出してタップさせる能力を頼りにしていく事になりますが、普段は3人から攻撃されているのに1枚パーマネントをタップした所で何も抑制にならない事が多いです。しかしデュエルコマンダーではアタッカーを1体タップされつつ、2/3飛行のブロッカーがいながらも十分なダメージをたたき出す事は非常に困難です。その守りに回った時の強さも強みの一つです。



 また、同じバントカラーの《戦争のアスラ、ジェナーラ/Jenara, Asura of War》との違いはなんといってもその展開力です。

 《戦争のアスラ、ジェナーラ/Jenara, Asura of War》のような、すごい量のマナから一気にパンプして2〜3ターンでゲームを決めてしまうような強引なパワーが無い代わりに、そこまでマナの量が無くとも細かく展開していって物量差に持ち込めるため、仮に統率者を《金輪際/Nevermore》などで封じられても無理やり押し切る事が出来ます。

 《戦争のアスラ、ジェナーラ/Jenara, Asura of War》は今度はそこまでマナクリーチャーなどに頼る事が無いので、《紅蓮地獄/Pyroclasm》などを対策として採用されていてもあまり効かないというメリットはあります。環境がどこまで進んでいるかでどちらの統率者を採用するべきか変わってくるでしょう。




 《浄火の戦術家、デリーヴィー/Derevi, Empyrial Tactician》の強さとは少し異なる話題になりますが、レシピを見ればわかるとおり、白いカードはほとんど入っておらず、大体青と緑のカード(といくつかの白が混ざった多色カード)で構成されています。これはやはり緑のマナ加速やクリーチャーサーチ、青の打消しとバウンスがデュエルコマンダーというフォーマットで非常に重要である事を示しています。

 逆に言うと、それでも採用されている白いカードは非常に重要なものであるということがわかりますね。

 クリーチャーを守るための《ルーンの母/Mother of Runes》、軽い除去(《流刑への道/Path to Exile》《剣を鍬に/Swords to Plowshares》等)、軽いカードが主に採用される環境なのでほぼ何でも回収できる《太陽のタイタン/Sun Titan》などは《浄火の戦術家、デリーヴィー/Derevi, Empyrial Tactician》でなくとも必ず入るレベルのものです。





 このデッキのようなクロックパーミッションの弱点はいくつかあります。

 まず一つは軽いクリーチャーを除去するカードです。《はらわた撃ち/Gut Shot》《電謀/Electrickery》《紅蓮地獄/Pyroclasm》《火山の流弾/Volcanic Fallout》など、あまりにも限定的と思われがちではありますが、「軽い環境」であるデュエルコマンダーではそうそう腐る事は無いでしょう。

 次に挙げられる弱点は、いったん戦場に出てしまったものに触れる手段が大分限定されてしまう事です。統率者戦よりもエンチャントやアーティファクトよりもクリーチャーに重きを置いているため、クリーチャー除去は優先的に採用されますが、エンチャント・アーティファクト破壊はあまり枚数を採用する事が出来ません。

 上記の軽い除去と同等以上に限定的ですが、《崇敬/Reverence》《上天の閃光/AEther Flash》《魂の裏切りの夜/Night of Souls' Betrayal》は細かいクリーチャーは大体完封されてしまいますし、クリーチャーなのでエンチャントよりは破壊されやすいですが、《概念泥棒/Notion Thief》を出してしまうと追加のドローが出来なくなるため、すぐに息切れしてしまいます。





 また、相手の行動に対してはカウンターが主な対抗手段になるので、カウンター対策のカード《赤霊破/Red Elemental Blast》《紅蓮破/Pyroblast》《秋の帳/Autumn's Veil》《種蒔き時/Seedtime》《難問の鎮め屋/Vexing Shusher》《堂々たる撤廃者/Grand Abolisher》などは致命的になりかねません。

クロックパーミッション側もそれらのカードは常に注意しながらプレイしていく必要がありますね。


後編に続きます。
 
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