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GP香港行ってきました!岩SHOWのレポート・ショーその2 
 
text by Iwa-Show 

岩SHOWのレポート・ショーその1



 前回はGP前日の夜までをお届けしました、岩SHOWです。今回はいよいよGP初日、早速行ってみましょう!

 前日に受け付けは済ませていたので、会場へは開始時刻の9時までに着けばOK。タクシーで30分かからないぐらい(料金にして1500円ほど)の場所なので、8時に出れば問題なし。と言うことは起きるのは7時半で良いという訳で…仕事で行ったGP北九州に比べれば、随分と余裕アリ。

 6時間以上しっかり眠ることが出来て、体調も良好。会場へは8時半に着き、某コーヒー店で朝食を。抹茶ラテとソーセージパイ、別段中華風アレンジがあるというわけでもなく。そのため、店は西洋人と日本人で大盛況。日本のGP会場ではなかなかこういうことが出来ない。ここは客席から会場が見えるので、何かあった時にすぐ行くことが出来るし、アナウンスもギリギリ聞こえてくる。



 日本だと、食事を摂ろうと思うと、会場からまず出なくちゃならない。純粋に参加者が増えた(なにしろ2000人越え)ため、大規模な展示場を使用する必要があり、そういった施設は海外の様にモールと併設している訳ではない(日本の土地事情ですね)。

 これからの国内GP、益々盛り上がっていくことかと思いますが、同時に数々の困難も浮上してくることでしょう。プレイヤー側にも、主催側にも。意見の衝突、不満なども出てくるかと思いますが、どんな状況でも「マジックを楽しむ」ということを忘れたくないものだと改めて。

 話がそれましたが、海外GPに行くといろいろなものが見えてきてそれだけで楽しいですよ、ということで。


 参加者は970人ほど。1000人には及ばないものの、2年ほど前の日本のGPと遜色のない参加人数だと考えればすごい。東南アジアから積極的に参加しているプレイヤーが多かったのが、この参加者数に至った最大の要因ではないだろうか。

 GPバンコクで現地の熱気を感じ、GP北九州ではマレーシアのRaymond Tan選手の優勝を目の当たりにし、そしてこの香港の盛況ぶり。この半年間で、東南アジアがグイグイ来ているのを実感。

Raymond Tan選手インタビュー

 そうなってくると熱いのが…トレード。マジックというゲームがすっかり浸透すると、次にプレイヤーが求めるのは「人とは違うもの」。日本でも、一大Foilブームが巻き起こったのは記憶に新しい。東南アジアの方々とトレードして「オイシイ」ものとは、Foilは勿論のこと、「日本語」のカードである。

 日本語のカードが世界でクールだと評価されているのは多くの方がご存知の事かと思う。漢字・ひらがな・カタカナという3種の文字のブレンドは、普段アルファベットしか用いない言語圏のプレイヤーには最高に格好よく見えるとのことだ。




 これまでは西洋からのLOVE JAPANESEコールがよく聞こえていたが、これからは東南アジアからそのコールを聞くことになると思う。

 会場でも、多くの東南アジア系プレイヤーが日本語とのトレードをしたいと話しかけてくれた(生憎、自分で使うカードしか持って行ってなかった。荷物が増えるだけだと思っていた…残念)。実際に場内でも多くの日本人がトレードに勤しんでいる姿を拝見。

 この時、そりゃ英語が喋れればそれに越したことはない。けれども、まず必要なのはコミュニケーション能力だ。クッキリと明確に意思を伝える・相手の欲しいもの、狙いを察する理解力・冗談を交え、笑いながら話を進めていく話術…コミュニケーションをしっかりとれば、自ずと良いトレードが出来るし、気分も良い。






 さて、そんな「人種のるつぼ」の中、GPは開幕。初日はシールドだったので、まずはパックチェックだ。青白が強そうではあるが、どうにもクリーチャーが足りない様なプールだ。これをシートに記入している間にも、色々な方法をとるプレイヤーがいて面白い。


 僕はさっさと6パック剥いて一気に色分け、ナンバー順に並べて記入していく機械的なスタイル…とは言っても多くの方がこの方法をとられているだろう。ここでミスしてペナルティを受けても、煩わしいだけだ。さっさと終わらせ、一回見直すぐらいの余裕を心がけたい。


 記入が終われば、プール交換の時間だ。今回はプールを2回、左に送って目の前に来たのがあなたのプール、という方式だった。開いたプールは、悪くない。




 戦えるカードは、青と緑に固まっている。緑には《ナイレアの弓/Bow of Nylea》というボムがあるのだ。さらに、赤を足せばプレインズウォーカー《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》も使用できる。


 これは《乳白色の一角獣/Opaline Unicorn》《未知の岸/Unknown Shores》がタッチを解決してくれるし、これらのカードから出る赤マナは、《ナイレアの弓》で接死を持った《はじけるトリトン/Crackling Triton》を投げるのに使用することでこの色の組み合わせではありがたい直接的な除去として機能させることが出来る。「弓」が出てればそこまでしなくてもと勝てるというツッコミもあるだろうが、僕は出来ないよりは出来た方が良いという組み方をする癖があり、今回もそれに従って構築をした。


 《航海の終わり/Voyage's End》《旅するサテュロス/Voyaging Satyr》という強いコモンも2枚ずつあったし、青緑でやることは疑いようのないプールだった。ゼナゴスを足さない選択肢も最後までチラついたが、そうなった場合にその部分に入れるべきクリーチャーが他になかった。これが決め手となった。
僕のような未熟な乗り手でも、2日目に行けないこともないといった感じのデッキが完成した。



 さて、ここからが現実と向き合う時間だ。僕はこの1年間、ほとんど公認トーナメントに出ていない。だからBye(不戦勝)など1つも持っていない。


 デッキを組み終わったら、トイレに行って飲み物を買ったらすぐに一回戦が始まるのだ。3Bye持ちの同行メンバーが余裕で飯を食いに行ったり、メインの構築が間違っていた時のために構築を再確認している間、僕はもう150分戦い抜いた後ということになるのだ。これはなかなかに厳しい。

 普段マジックを遊べていない者がGPに挑むとは、こうも厳しい現実なのか(ちゃんとMagic Onlineはやってるんだけどね。休日を丸一日持っていかれてしまうトーナメントに参加すると、仕事の疲れが…歳やね)。しかし、ここまで来た以上現実に立ち向かっていくしかない。やってやる!




R1 アレックスさん(ロシア)
 気さくに話しかけてくるごっついおっちゃん。《Black Lotus》スリーブ一緒じゃねーかヘッヘッヘと、いかにもロシア人という笑い方でファーストコンタクト。

 「マジック何年やってんの?」とか積極的に聞いてくるので「14年」と答えると「俺は15年」とニヤリ。こっちもリラックスした状態に。デッキは向こうはジャンドカラー。


1本目は、向こうの2マナパワー2軍団がワラワラ並んで押されて負け。《ナイレアの弓》を引いたころにはもう手遅れだった。

 2本目はバウンスでどかして《ネシアンのアスプ/Nessian Asp》や《巨体の狐/Vulpine Goliath》でどついて快勝。アレックスさん、ライブラリーをシャッフルした後に口元に持っていき、手を添えて「フッ」と息をかけるのが特徴的。ある種のお祈りみたいなものなのだろう。

 3本目は、シビアすぎるダメージレースになる。向こうは盤面を固めた上で《彼方の工作員/Agent of Horizons》殴ってくる。こちらは《歓楽者ゼナゴス》から出るトークン、そしてここでも狐で殴っていく。このシビアなダメージレースの末、2ターン連続で《航海の終わり》を引けるラッキーが重なって勝利。最後は向こうの分厚くてごっつい掌が差し出された。








R2 中国系の方
 少しおどおどした感じで、初心者の方かな?と思い丁寧にプレイするように心がける。メインはデッキが回って勝ち。向こうは緑白ヒロイックといった感じ。続く2ゲーム目、3ゲーム目は《神々の思し召し/Gods Willing》を要所で必ず握られている、という場面に複数出くわしてヒロイックに押しつぶされて負け。

 うーん悔しいなーと思っていると「このゲーム、昨日始めたばかりだけど楽に勝てるね。何年やってるの?キャリアとか関係ないよね、簡単だ」と言われ、悔しいやら悲しいやら複雑な気持ちになった。初心者でも勝てるというのはマジックの良さだと、僕は思う。でも、勝者が敗者にかける言葉ってのは選ぶべきなんじゃないのかなぁという気持ちだけは、伝えておいた。







R3 フランスの方
 ペアリングで相手の名前を見ると、「Guillaume」の文字。我々マジックプレイヤーには見慣れた名前の1つである。(*1)もしかしてフランスの方かなと思ったら案の定。

 「日本人かい?東京のBIG MAGIC知ってる?めっちゃカード買っちゃったよ」と。ありがとうございます。是非なんば店・名古屋店にも来てくださいねと伝える。仕事でアジアに来ることが多く、それで各地のマジックめぐりをやっているそうな。


 デッキは青黒コントロール。除去を《ファリカの療法/Pharika's Cure》《鞭の一振り/Lash of the Whip》《英雄の破滅/Hero's Downfall》と連打されるが、消耗戦の末に生き残った《ネシアンのアスプ》が怪物化して勝利。

 2本目は、固定砲台と化したゼナゴスと飛行生物vs黒信心集団。《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》2枚出されてライフ2に追い詰められるが、愛しのゼナゴスが最後の最後まで頑張ってくれて粘り勝ち。PW、やはり強し。試合後に、向こうが見せてくれたレアは…





ブロック構築かな?


次回、残りの試合・遠征感想・帰国編に続く!


(*1 Guillaume)
MTG界で有名な「Guillaume」と言えば、ギョーム・ワフォ=タパ(Guillaume Wafo-Tapa)。フランスのトッププレイヤー。
Guillaumeとはフランスの男性によく見られる名前であり、R3のプレイヤーは上記の人物とは別人だが、筆者がフランス人と気づいたのはここから。



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